REPORT●近田 茂(CHIKATA Shigeru)
PHOTO ●山田俊輔(YAMADA Shunsuke)/株式会社ホンダモーターサイクルジャパン
CBブランドの最高峰モデルとして開発。プロジェクトBIG-1コンセプトを具現化する回答として1992年11月にデビューし、他を圧倒する大きく立派なフォルムを誇った。当初は1000ccに始まったが、現在はこのCB1300 SUPER FOUR になっている。
ダブルクレードル・フレームにリヤ2本ショックサスペンション等、CBの伝統的なフォルムを継承しつつ、ボリューム感たっぷりな堂々たる風格のスタイリングが印象深い。
ネイキッドのスーパーフォアを標準に、快適なウインドプロテクションを提供するアッパーカウルを装着したボルドール。さらにそれぞれにSP仕様を加え、いずれも2タイプずつのカラーリングを用意、合計8機種のバリエーションをリリースしている。
今回は、ライダーのスロットルグリップ操作に対して、より緻密にスロットルバルブ制御されるTBW (スロットル・バイ・ワイヤシステム)が新採用された。
いわゆる電子スロットルである。これに伴いSPORT 、STANDARD、RAINのライディングモードが選択できる。HSTC(ホンダ・セレクタブル・トルク・コントロール)も相まって、大排気量エンジンならではのビッグパワー&トルクに、より安心して扱える親しみやすさを加味した点が新しい。
出力特性も熟成進化し、高回転高出力側に少し向上。最高出力は113ps/7,750rpmを発揮する。ピークトルクは若干穏やかな方向になったが、より柔軟性に富む出力特性が期待できそう。
燃料消費率は定地燃費で28km/L、モード燃費値で17.2km/Lへと着実に進化している。
またフラッグシップモデルに相応しく、ハンドルグリップヒーターやETCも標準装備。さらにクルーズコントロールも新採用されている。
これは自動定速走行装置の事。設定可能範囲は50~160km/hで、ギヤポジションが4~6速の時に任意作動させることができる。右手のメインスイッチを押してクルーズコントロールをONにし、希望するスピードでSET(親指操作でレバーを下へ)すれば設定された速度で航続し続けてくれる。
ライダーは右手のスロットル操作から開放され、主に高速ロングクルージングでの快適性向上に大きく貢献するわけだ。
その他オプション設定ながら、純正アクセサリーにクイックシフターもラインナップ。なお、2018年から追加設定されたSP仕様は、専用開発されたオーリンズ製の前後サスペンションとラジアルマウントのブレンボ製モノブロック4ポットキャリパーが奢られ、さらにプレミアム性が高められた。
CBブランドのフラッグシップ・モデルとして、その存在感と魅力は着実に高められているのである。
CB1300 SUPER FOUR〔CB1300 SUPER BL D'OR〕
車名・型式:ホンダ・8BL-SC54
全長(mm):2,200
全幅(mm):795〔825〕
全高(mm):1,125〔1,205〕
軸距(mm):1,520
最低地上高(mm):130
シート高(mm):780
車両重量(kg):266〔272〕
乗車定員(人):2
燃料消費率(km/L):28.0(60km/h)〈2名乗車時〉
WMTCモード値(km/L):17.2〈1名乗車時〉
最小回転半径(m):2.7
エンジン型式:SC54E
エンジン種類:水冷4ストロークDOHC4バルブ直列4気筒
総排気量(cm3):1,284
内径×行程(mm):78.0×67.2
圧縮比:9.6:1
最高出力(kW[PS]/rpm):83[113]/7,750
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm):112[11.4]/6,250
燃料供給装置形式:電子式〈電子制御燃料噴射装置(PGM-FI)〉
始動方式:セルフ式
点火装置形式:フルトランジスタ式バッテリー点火
潤滑方式:圧送飛沫併用式
燃料タンク容量(L):21
クラッチ形式:湿式多板コイルスプリング式
変速機形式:常時噛合式6段リターン
変速比:
1速 3.083
2速 1.941
3速 1.478
4速 1.240
5速 1.074
6速 0.967
減速比(1次/2次):1.652/2.222
キャスター角(度):25゜00′
トレール量(mm):99
タイヤ(前/後):120/70ZR-17M/C 58W / 180/55ZR-17M/C 73W
ブレーキ形式(前/後):油圧式ダブルディスク / 油圧式ディスク
懸架方式(前/後):テレスコピック式 / スイングアーム式
フレーム形式:ダブルクレードル