Honda Dream店より3月18日に新発売されたCB1300 SUPER FOUR 。伝統的CBブランドの最高峰に君臨。堂々のフォルムを誇るビッグ・スポーツだ。今回のモデルチェンジでは「大排気量モデルを操る楽しみの最大化」が図られたと言う。




REPORT●近田 茂(CHIKATA Shigeru)


PHOTO ●山田俊輔(YAMADA Shunsuke)/株式会社ホンダモーターサイクルジャパン

ホンダ・CB1300 SUPER FOUR.......1,562,000円

パールサンビームホワイト
ベータシルバーメタリック

ホンダ・CB1300 SUPER BOL D'OR.......1,672,000円

パールサンビームホワイト
ベータシルバーメタリック

ホンダ・CB1300 SUPER FOUR SP.......1,936,000円

キャンディークロモスフィアレッド
パールホークスアイブルー

ホンダ・CB1300 SUPER BOL D'OR SP.......2,046,000円

キャンディークロモスフィアレッド
パールホークスアイブルー
CB1300 SUPER FOUR

CB1300 SUPER BOL D'OR

大きく立派なバイクを乗りこなす魅力が楽しめる。

 CBブランドの最高峰モデルとして開発。プロジェクトBIG-1コンセプトを具現化する回答として1992年11月にデビューし、他を圧倒する大きく立派なフォルムを誇った。当初は1000ccに始まったが、現在はこのCB1300 SUPER FOUR になっている。


 ダブルクレードル・フレームにリヤ2本ショックサスペンション等、CBの伝統的なフォルムを継承しつつ、ボリューム感たっぷりな堂々たる風格のスタイリングが印象深い。


 ネイキッドのスーパーフォアを標準に、快適なウインドプロテクションを提供するアッパーカウルを装着したボルドール。さらにそれぞれにSP仕様を加え、いずれも2タイプずつのカラーリングを用意、合計8機種のバリエーションをリリースしている。


 今回は、ライダーのスロットルグリップ操作に対して、より緻密にスロットルバルブ制御されるTBW (スロットル・バイ・ワイヤシステム)が新採用された。


 いわゆる電子スロットルである。これに伴いSPORT 、STANDARD、RAINのライディングモードが選択できる。HSTC(ホンダ・セレクタブル・トルク・コントロール)も相まって、大排気量エンジンならではのビッグパワー&トルクに、より安心して扱える親しみやすさを加味した点が新しい。


 出力特性も熟成進化し、高回転高出力側に少し向上。最高出力は113ps/7,750rpmを発揮する。ピークトルクは若干穏やかな方向になったが、より柔軟性に富む出力特性が期待できそう。


 燃料消費率は定地燃費で28km/L、モード燃費値で17.2km/Lへと着実に進化している。


 またフラッグシップモデルに相応しく、ハンドルグリップヒーターやETCも標準装備。さらにクルーズコントロールも新採用されている。


 これは自動定速走行装置の事。設定可能範囲は50~160km/hで、ギヤポジションが4~6速の時に任意作動させることができる。右手のメインスイッチを押してクルーズコントロールをONにし、希望するスピードでSET(親指操作でレバーを下へ)すれば設定された速度で航続し続けてくれる。


 ライダーは右手のスロットル操作から開放され、主に高速ロングクルージングでの快適性向上に大きく貢献するわけだ。


 その他オプション設定ながら、純正アクセサリーにクイックシフターもラインナップ。なお、2018年から追加設定されたSP仕様は、専用開発されたオーリンズ製の前後サスペンションとラジアルマウントのブレンボ製モノブロック4ポットキャリパーが奢られ、さらにプレミアム性が高められた。


 CBブランドのフラッグシップ・モデルとして、その存在感と魅力は着実に高められているのである。

ディテール解説

写真はSUPER BOL D'OR 。アッパーカウルを標準装備、カウル両脇にはそれぞれ約1L容量の収納ボックス(左はキーロック付き)も設備されている。

Uの字状のラインライトが印象的な異形ヘッドランプ。光源はもちろんLED式ランプが使用されている。
SUPER FOURはオーソドックスな丸型のLED式ヘッドランプを採用。
フロントフォークはφ43mmの正立式。伸び側のダンピングが無段階調節できる。ブレーキはφ310mmのフローティング・ダブルディスクを装備。NISSIN製対向4ポッド油圧キャリパーが採用されている。

赤いダブルクレードルフレームに搭載された巨大な水冷DOHCエンジンはショートストロークタイプの1,284cc。

PGM-FI(電子制御式燃料噴射)が採用された吸気系にはスロットルバイワイヤシステム(電子スロットル)が新採用された。φ36mmのエアファンネルは、外側2本と内側2本で長さが異なっている。
右出しの4into1マフラーは2室構造を採用。意外とほっそりしたデザインが印象的だ。
角形アルミスイングアームのエンドピースはアルミ鍛造製。赤いダブルピッチスプリングを採用したSHOWA製2本ショックタイプだ。

リヤショック左右それぞれにある圧側のダンピング調節ダイアル。1が標準(最弱)で4段調節できる。
リヤショック下端に装備されたダイアルで伸び側のダンピング調節(15段階)ができる。
グリップヒーターが標準装備されており、ハンドル左側スイッチの左隣にあるプッシュスイッチで5段階の温度調節ができる。
ハンドル右側スイッチ。上の赤いのはエンジンキルスイッチ&始動用セルスタータースイッチ。下が新設されたクルーズコントロール用のスイッチ。
クッションは幅に余裕のあるダブルシート。脱着式でシート下には約11L容量の収納スペースがある。右側にはType-CのUSBソケット(5V3A)も装備されている。

主要諸元

CB1300 SUPER FOUR〔CB1300 SUPER BL D'OR〕


車名・型式:ホンダ・8BL-SC54


全長(mm):2,200


全幅(mm):795〔825〕


全高(mm):1,125〔1,205〕


軸距(mm):1,520


最低地上高(mm):130


シート高(mm):780


車両重量(kg):266〔272〕


乗車定員(人):2


燃料消費率(km/L):28.0(60km/h)〈2名乗車時〉


WMTCモード値(km/L):17.2〈1名乗車時〉


最小回転半径(m):2.7


エンジン型式:SC54E


エンジン種類:水冷4ストロークDOHC4バルブ直列4気筒


総排気量(cm3):1,284


内径×行程(mm):78.0×67.2


圧縮比:9.6:1


最高出力(kW[PS]/rpm):83[113]/7,750


最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm):112[11.4]/6,250


燃料供給装置形式:電子式〈電子制御燃料噴射装置(PGM-FI)〉


始動方式:セルフ式


点火装置形式:フルトランジスタ式バッテリー点火


潤滑方式:圧送飛沫併用式


燃料タンク容量(L):21


クラッチ形式:湿式多板コイルスプリング式


変速機形式:常時噛合式6段リターン


変速比:


 1速 3.083


 2速 1.941


 3速 1.478


 4速 1.240


 5速 1.074


 6速 0.967


減速比(1次/2次):1.652/2.222


キャスター角(度):25゜00′


トレール量(mm):99


タイヤ(前/後):120/70ZR-17M/C 58W / 180/55ZR-17M/C 73W


ブレーキ形式(前/後):油圧式ダブルディスク / 油圧式ディスク


懸架方式(前/後):テレスコピック式 / スイングアーム式


フレーム形式:ダブルクレードル

情報提供元: MotorFan
記事名:「 熟成のCB1300シリーズがさらなる進化を遂げた! 最新装備と電子技術を解説。