TEXT●橋本洋平(HASHIMOTO Yohei)
悪魔のZでお馴染みの初代フェアレディZは、言わずと知れたロングノーズ・ショートデッキスタイルが心に突き刺さった一台。今では達成しにくい低いボンネットから繋がるベルトライン、そしてテールへなだらかに流れて行くルーフからのラインがそれと最後に繋がるテールエンドが特に好みの部分だ。
こんなクルマが50年も前にあったなんて信じられないくらいの傑作だと個人手的には思う。だからこそマンガの世界でも通用したのではないだろうか? 来年登場するZもこの流れを引き継いでいることは明らか。いつまでも語り継がれるデザインがそこにある。
電動ルーフを採用しハードカバーを備えた現行ロードスターのRFは、単純にソフトトップの形のハードルーフを採用するだけでなく、幌では達成できなかったテールへ向けたルーフラインを作り出したところが面白く、そして美しく感じた一台。
真横から見るとまるでS30Zかと感じられるようなロングノーズ・ショートデッキ感を生み出しているところがお気に入りだ。リア斜め45度から見た時の姿は絶品で、それがオープンでもクローズドでも変わらないところも素晴らしい!
これまでにないロードスター像を作り出したという意味においても貴重なデザインを持つ一台だと思う。
歴代スカイラインが採用する丸形テールライト、これがたまらなく好きだ。どんなに遠くから見ても“スカイライン”であることが理解できること、そして歴代通じてそれを使い続けたという伝統も日本車好きには響く。
中でもお気に入りはかつての愛車だったR32GT-Rで、丸形テールライトに加え、標準車とは明らかに違うブリスターフェンダーを備えたことで、テールまわりにボリュームが生まれ、安定感があったところが好感触。
スカイラインは所詮セダンから派生したクーペであり、流麗なピュアスポーツとは明らかに違うが、逆にその武骨な造りがたまらない。不器用ながらも頑張って戦う日本男児的な風格が好きだ。
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どんなに走りが楽しくても、どんなに乗り心地が良くても、ブサイクなクルマには乗りたくない。そう、デザインはクルマの命。ということで、これまで出会ったクルマの中からもっとも美しいと思ったベスト3を毎日、自動車評論家・業界関係者に選んでいただきます。明日の更新もお楽しみに。