エクステリアザインに犬の要素をとりこんだ日欧のコンパクトカーは、 ともにクルマとしての実力は申し分ないので、デザインの好みだけで選んでも問題なし! REPORT:森田 準(ニューモデル速報編集部)
ボルボSUVラインナップ兄貴分のXC90と日本でも大人気のXC60はライオンがモチーフになっているが、最も小型なXC40を、ライオンのダウンサイジングで猫にするわけにはいかない。 ということで、ボルボのSUVの末っ子として、力強さや親しみやすさを与えるために採用されたのが「ブルドッグ」。しかも最近人気のフレンチブルやボストンテリアなどのシュッとした系ではなく、伝統的ないわゆるイングリッシュブルドッグだ。 逆スラントしたフロントフェイスのペチャ鼻フェイスに加え、幅広な全幅1875に対して短めのな全長4425mmという、リヤオーバーハングの少ないコロッとしたボディは、まさにブルっぽい感じ。まさに親しみやすく、可愛らしい印象雰囲気を持っている。 価格的には、最廉価モデルは2.0ℓ4気筒ガソリンターボのFFで396万2037円、4WDの最上級モデルが569万3519万円と、同クラスの国産SUVと比べると高いが、この XC40、2019-1019日本カー・オブ・ザ・イヤーと、同年の欧州カー・オブ・ザ・イヤーも受賞しているので、SUVとしての性能も心配には及ばない。
片や国産コンパクトカーの代表格であるホンダのフィットも、実はエクステリアデザインのコンセプトに犬のイメージが採り入れられた。デザイナーが、日本を代表するコンパクトカーとして「日本らしくて心地よい存在」を模索するなかで、「一緒にいて楽しく、時に飼い主を守ってくれる頼もしい存在」ということで、柴犬をイメージしてデザインを進めたそうだ。 飼い主に忠実な日本原産の犬種で、今や世界的な人気をもつ柴犬は、フィットに相応しい。日本人の、日々の相棒としてはぴったりなキャラクターだ。 クリクリした目元を持つフェイスデザインが柴のイメージかなとも思うが、そうではなく、エクステリア全体のモチーフが柴犬なのだそうだ。 この新型フィットは、単に性能や数値を追求するのではなく、普段使いにおける”心地よさ”を追求して開発されていて、ミリ波レーダーを使わない、単眼カメラを主体とした新たな先進安全Honda SESINGや、小型化されたハイブリッドシステムを搭載するなど、ホンダの基幹モデルとして開発陣の熱意を感じる仕上がりになっている。価格も1.3 ℓのFF車が155万7600円、1.5ℓハイブリッド4WDの最上グレードでも253万6600円と、親しみやすい。
ボルボXC40とホンダ・フィット、どちらも日々の暮らしに彩や憩いをもたらしてくれる相棒として選ぶのに持ってこいのクルマなので、愛犬家のクルマ選びの際ににはぜひとも候補に入れていただきたい。