新旧のクッション部分を触ってみると、新型のほうが明らかに柔らかい。
「本来、ここまでクッション(パッド)を柔らかくすると、身体を支えきれずに姿勢が崩れてしまって全然運転に集中できなくなります。今回の新型フィットから搭載していくこのシートは、フレームから新設計になっています」
という。
この新シートは、「ボディスタビライジングシート」という名称だ。
いままでのシートは、サイドサポートやちょっとしたワイヤーなどと硬めのパッドで身体を保持していたのだが、新型のボディスタビライジングシートは、パッドの奥にある面構造で身体を支える考え方に変わった。
新型フィット開発陣がこだわったのは、「骨盤の安定」だという。
「我々はとにかく体幹を崩さないことが縦横だと考えました。そのためには、骨盤をしっかりずらさない。骨盤を面で受ける構造がパッドの反力を返してくれて、身体を優しく包みながらも身体をしっかり支えてくれるのです。新型フィットのボディスタビライジングシートは、そんなシートになっています」
と説明してくれた。
従来の「Sばね構造」が「線」で身体を支えるとしたら、新型は「面」で支えるという考えだ。
「Sばね構造だと、腰のあたりに局部的に強い当たり方をするですが、新型のMAT構造では、前から後ろまでしっかり繋がったようなフィーリングが体感できます」(エンジニア氏)