マツダの新世代商品群の第一弾であるMAZDA3。欧州では、SKYACTIV-Xエンジン搭載車も含めて販売が始まっている。このカテゴリーの王者は、いうまでもなくVWゴルフだ。8代目への移行をするゴルフとマツダ3。この両モデルを比較してみよう。

まずはサイズから。マツダ3は低く長い

 世界のベーシックカーともいえるCセグメントハッチバック。もっともCセグハッチバック・モデルの競争が激しいのは欧州市場だ。


 ここで常に主導権を握っているのは、フォルクワーゲン・ゴルフである

 世界のクルマのベンチマークとして常に研究され、追いかけられている存在だ。このゴルフが7代目から8代目に進化した。

ゴルフ7に引き続きMQBベースで開発されたゴルフ8。日本導入車来年2020年

 さて、このゴルフに牙城に挑むのがマツダ3である。もちろん、販売数でゴルフのライバルになるには、いささか時期尚早であるし、販売力でも差がありすぎる。とはいえ、日本の自動車ファンとしては、ゴルフ8とマツダ3を比べてみたくなってしまう。




 新型ゴルフ8のボディサイズは


全長×全幅×全高:4284×1789×1456mm


ホイールベース:2636mm




 マツダ3(ファストバック)のボディサイズは


全長×全幅×全高:4460×1795×1435mm


ホイールベース:2725mm

赤いボディがマツダ3、黄色がゴルフ8だ。重ね合わせるとスタイルの違いがよくわかる。マツダ3 全長×全幅×全高:4460×1795×1435mm VWゴルフ8 全長×全幅×全高:4284×1789×1456mm ホイールベース:2636mm

 比べるべくもないほど、マツダ3の方が長く低い。ホイールベースで89mmもマツダ3の方が長いのだから、当然だ。新型になっても相変わらず「質実剛健」なゴルフに対してマツダ3は魂動デザインも相まって、よりスタイリッシュでよりパーソナルな雰囲気を纏っている。実用車としてクルマを選ぶ層ではないターゲットに向けてマツダ3は開発されているようだ。

正面視。上がVWゴルフ8で下がマツダ3

VWゴルフ8

 新型ゴルフ8は欧州では12月から販売開始となるが、まだスペック等の詳細は発表されていない。


 わかっているパワートレーンを整理しておくと




ゴルフ8のパワートレーンは


ガソリンエンジン


■TSI:


1.0ℓ直列3気筒DOHCターボ:90ps(66kW)


■eTSI(48Vスタータージェネレーター・マイルドハイブリッド):


1.0ℓ直列3気筒DOHCターボ:110ps(81kW)+48V Mlid-Hybrid


1.5ℓ直列4気筒DOHCターボ:130ps(96kW)+48V Mlid-Hybrid


1.5ℓ直列4気筒DOHCターボ:150ps(110kW)+48V Mlid-Hybrid


■eHYBRID(プラグインハイブリッド):


1.4ℓ直列4気筒ターボ+モーター:204ps(150kW)


■GTE(ハイパフォーマンスPHEV)


1.4ℓ直列4気筒ターボ+モーター:245ps(180kW)


■ディーゼルエンジン


2.0ℓ直列4気筒DOHCディーゼルターボ:115ps(85kW)


2.0ℓ直列4気筒DOHCディーゼルターボ:150ps(110kW)


■天然ガス(CNG)


1.5ℓ直列4気筒ターボ:130ps(96kW)




 となるようだ。ピュアEVは、ID.3にその役割を譲ったから設定されていないが、それでも実に多彩なパワートレーンを取り揃える。量販グレードは


ガソリンなら


1.0ℓ直列3気筒DOHCターボ:110ps(81kW)+48V Mlid-Hybrid


1.5ℓ直列4気筒DOHCターボ:130ps(96kW)+48V Mlid-Hybrid


ディーゼルなら


2.0ℓ直列4気筒DOHCディーゼルターボ:115ps(85kW)


となるのだろうか。




 一方のマツダ3の欧州でのパワートレーンは


ガソリンエンジン


■SKYACTIV-G2.0


2.0ℓ直列4気筒DOHC+24V Mild Hybrid:122ps(90kW)


■SKYACTIV-X


2.0ℓ直列4気筒DOHC+SC+24V Mild Hybrid:180ps(132kW)


ディーゼルエンジン


■SKYACTIV-D1.8


1.8ℓ直列4気筒DOHCディーゼルターボ:116ps(85kW)


となる。欧州仕様はガソリンの2.0ℓ(SKYACTIV-G2.0)にも24Vのマイルドハイブリッドを採用している。


 当然、このグレードがもっとも人気かと思ったら、マツダの発表によれば、初期受注のなんと約6割がSKYACTIV-Xを選んでいるという。

SKYACTIV-Xのライバルは1.5ℓ直列4気筒DOHCターボ:150ps(110kW)+48V Mlid-Hybrid?

SKYACTIV-X(欧州仕様) シリンダー配列:直列4気筒 排気量:1998cc 内径×行程:83.5 mm×91.2mm 圧縮比:16.3 最高出力:180ps(132kW)/6000rpm 最大トルク:224Nm/3000rpm 給気方式:スーパーチャージャー 燃料供給:筒内燃料直接噴射(DI、トップマウント) カム配置:DOHC 使用燃料:RON95

1.5TSI(96W) 直列4気筒DOHCターボ 排気量:1498cc ボア×ストローク:74.5×85.9mm 圧縮比:12.5 最高出力:130ps/5000-6000rpm 最大トルク:200Nm/1400-4000rpm 給気方法:ターボチャージャー(VGターボ) 燃料:RON95

 ゴルフ8のガソリンエンジンでは1.5ℓ直4ターボ+48Vマイルドハイブリッド(150ps)が走りと燃費を高次元で実現させるグレードになるだろう。


 ちなみに、ゴルフ8での同エンジンの燃費は未発表だが、ゴルフ7ではこうだった。


Golf 1.5TSI DSG ACT BlueMotion(110kW/150ps)


urban:16.1km/ℓ extra-urban:22.7km/ℓ combined:19.6km/ℓ


 ゴルフ8では、48Vマイルドハイブリッド化でWLTCモードで10%燃費が改善しているというから、さらに好燃費を叩き出しそうだ。




 これに対して、マツダ3のSKYACTIV-Xエンジン搭載車は


Mazda3 HB SKYACTIV-X 6AT FF(18inch)


urban:16.1km/ℓ extra-urban:20.8km/ℓ combined:18.9km/ℓ




 ゴルフの1.5ℓターボが150ps+48VISG


 マツダ3のSKYACTIV-Xが180ps+24VISG


 である。


 本当の勝負は、「走り」。そして、もちろん価格競争力である。もうしばらくすると、ゴルフ8vsマツダ3の直接対決が可能になる。楽しみである。

情報提供元: MotorFan
記事名:「 マツダ3は、新型フォルクスワーゲン・ゴルフⅧ(8)とどこまで勝負できるか? サイズとパワートレーンを比較してみる