外付けのプルダウン抵抗には、電流制限と最大1.5MHzのスイッチング周波数が設定されているため、出力インダクタのサイズを最適化することでコンパクトなパワー・モジュールを設計できる。短絡時にはデジタル周波数フォールドバックによるパルス・バイ・パルス方式の電流検知が動作し、パワー素子への負荷を最小限に抑えることで信頼性が向上する。また、過熱保護機能を組み込み、シャットダウンと自動復帰を備えているため、外的な介入を最小化する。
A7987は、低抵抗のNチャネル・パワーMOSFETを内蔵している。軽負荷時には、パルス・スキッピングにより、出力が制御される。また、内蔵スイッチオーバー機能を備えたバイアス電圧入力が、外部電源からアナログ回路へ給電し、効率を最適化する。
同期ピンによりスイッチング・フェーズの切り替えが可能となり、ノイズ影響の緩和および入力キャパシタに流れる実効値電流を抑えることが可能。ひとつの同期ピンで最大5個のレギュレータを制御できる。イネーブル・ピンと、遅延時間を調整できるパワーグッド・インジケータが、パワーアップ・シーケンシングを可能にする。さらに、調整可能なソフト・スタート機能により、突入電流が制限される。
AEC-Q100認証を取得済みのA7987は、現在量産中。HTSSOP16露出パッド・パッケージ(5 x 6.4mm)で提供され、単価は1000個購入時に約2.00ドル。
また、STは、A7987を利用した新製品の開発期間を短縮する評価ボード「STEVAL-ISA207V1」もリリースした。この評価ボードは、STのウェブサイトまたは販売代理店から入手可能。