ZFで商用トラックアプリケーションのADASおよび自動化の責任者、ダン・ウィリアムズ氏は次のように述べている。「商用トラックでこのようなテクノロジーが効果的に機能するためには第2レンズが必要だ。たとえば、大型トラックで歩行者対応AEB(自動緊急ブレーキ)を作動させるには、画角52度の標準的なモノカメラでは不十分なのだ。歩行者などを検知し、余裕をもってブレーキを作動させて事故を回避したり緩和したりする能力に限界がある」
また、第2レンズを備えることで、レベル2+機能に必要な冗長性も可能になる。ひとつのレンズでは視界が不充分な場合や機能しなくなった場合でも、もうひとつのレンズで補う事ができる。
ZFのカメラテクノロジーは、クラス最高の光学性能と、強化されたデータフュージョン機能を特徴としている。前方監視レーダーやコーナーレーダーなどのADASテクノロジーと組み合わせることで、車線変更支援や渋滞アシストといった運転機能の自動化が可能になる。このような機能は、重い貨物を積んで長距離走行するトラック輸送の安全と効率を高めるプラトーニング(隊列走行)などの技術基盤となる。
ZFは、商用トラック向けADASを欧州の大手トラックメーカーに長年にわたって供給してきた。そして2020年には、日本の大手メーター向けにさらに進んだADASソリューションを販売する予定だ。このアプリケーションでは、カメラの画像がカメラの筐体とは別のユニットで処理される。
ZZFは、SEE-THINK-ACT(見て、考えて、動かす)というアプローチを掲げている。車両周囲を「見る(see)」環境センサーテクノロジー、「ProAI」シリーズなどの「考える(think)」パワフルな処理装置、および高度な車両制御を可能にする「動かす(act)」インテリジェントなメカニカルシステムによって、商用トラック市場に高度な安全性と運転機能の自動化を提供している。