全長は20Kmにもおよび、世界で最も過酷なサーキットと呼ばれるニュルブルクリンク・ノルトシュライフェにて、メガーヌR.S.が7分40秒100というとてつもないタイムを叩き出したのだ。
今回、タイムアタックに供されたのは「メガーヌR.S.トロフィーR」という数100台の限定車として市販予定のモデルで、アクラポヴィッチ、ブレンボ、ブリヂストン、オーリンズ、サベルトといった名門ブランドとのパートナーシップによって仕立て上げられたもの。もちろん公道走行可能な市販車であり、けっしてサーキット専用車ではない。
アタックを担当したのは、ルノー・スポールの開発ドライバーのトップを務めるロラン・ウルゴン氏だ。ニュル最速男として世界中のエンスージアストたちに知られる存在だが、純然たるレーシングドライバーではなく、あくまで社内の開発ドライバーによるタイムアタックにこだわるあたりに、ルノー・スポールとしての良心を感じさせる。
タイムの更新だけが目的ではなく、あくまで開発の一環というわけだ。
ただ、シビック・タイプRとの比較には注釈が必要で、タイプRが当時の新記録を樹立した後、ノルトシュライフェは改修工事を受けている。だからまったく同一の条件というわけではない。
そしてもうひとつ覚えておいた方がいいのは、今回のメガーヌR.S.のアタックには従来通りスタートラインをフィニッシュラインの先に置くという手法が採られ、計測全長は20.600kmとなっていた。
今後、ノルトシュライフェではスタートラインとフィニッシュラインを同一のものとして、計測全長は20.832kmとされる。その場合のメガーヌR.S.の公式タイムは7分45秒389となり、今後、シビック・タイプRをはじめとしたライバルたちにとっては、このタイムがターゲットになるわけだ。