種類:固定オービス
計測システム:ループコイル式
検挙形態:後日呼び出し
無人/有人:無人
事前警告:有
レーダー探知機:無効
製造メーカー:東京航空計器(株)(TKK)
首都高速専用の、2車線対応型ループコイル式オービス。速度計測や撮影方式はLHや新L型と同様だが、一機で2車線を捕捉しているから、従来のような一方の車線に逃げるという緊急回避は通用しない。
ただし、現時点では首都高に7機設置されているのみ。一時は旧型Lとの世代交代が進むのではないかと予想されたが、ここ数年、増えた形跡はない。現在、首都高では渋滞の原因となり、かつ取締効率の悪いオービスを撤去する方向は方針転換しているので、今後、増えることはないかも。
8.L型オービス(オービスⅢ)
種類:固定オービス
計測システム:ループコイル式
検挙形態:後日呼び出し
無人/有人:無人
事前警告:有
レーダー探知機:無効
製造メーカー:東京航空計器(株)(TKK)
他のオービスに比べて「えっ? これだけ?」と言いたくなるようなすっきりタイプ。路面に埋め込まれたループコイルセンサーでスピードを測るタイプだから、アンテナ類は一切無し。しかも、そのほとんどが路肩にひっそりたたずんでいるだけだから、最新のハイテクオービスよりもタチが悪かったりする。当然、レーダー探知機は効かないから、対処法はただひたすら「位置を覚えること」だけだ。
ただし、撮影システムが銀塩カメラによるフィルム式ってことで、フィルム切れによる稼働停止がままあったことも事実。LHやLSは、デジタルでその欠点を補ったというわけだ。
とはいえ、まだ全国の多数が残っているだけに、油断は禁物。中にはダミー化しているものも多いと思われるが、確かめるすべがないだけに、本物だと思った方が、無難です。
9.センシスSSS
種類:固定オービス(移動可)
計測システム:レーダー式
検挙形態:後日呼び出し
無人/有人:無人
事前警告:有
レーダー探知機:有効?
製造メーカー:センシス・ガスト社
可搬式移動オービス、センシスMSSSと同様、スゥエーデンのセンシス・ガスト社が、日本の警察庁に「生活道路対応」という謳い文句で売り込みをかけ、それが現在の移動オービスブーム(?)の引き金を引いたといっても過言じゃない。
一見、固定式オービスに見えるが、実は、3mのポール1本で支えられているだけの簡易型なので、簡単な工事で移動が出来るというから、実は、半可搬式移動オービスでもあるのだ。ただ、数年前に
埼玉県と岐阜県の合計3箇所で試験運用されたものの、実際に移動した形跡はまったくない(1機は撤去済み)。機械自体は軍事技術が導入されレーダー式オービスとしてハイレベルなポテンシャルを誇っているが、今のところ増殖の気配がなく、その理由も不明だ。
ちなみに「生活道路対応」というだけに、違反車の速度計測、撮影以外に、歩行者に「速いクルマが近づいている」という警報を発する機能も持っている。
10.Hシステム
種類:固定オービス
計測システム:レーダー式
検挙形態:後日呼び出し
無人/有人:無人
事前警告:有
レーダー探知機:有効
製造メーカー:三菱電機(株)(TKK)
デビューは1994年。正式名称は「高速走行抑止システム」、略称で「高抑」と呼ばれることもある。基本的には阪神高速専用のH(阪神=HANSHIN)システムと同じだが、カタチが違うので当情報局の前身である「OPTION SSR委員会」が「新H(高速=Haigh speed)システムと命名。今では警察も含めて、それが通称となっている。
取締はまず、ハンペンみたいな白いレーダーアンテナからレーダー波を照射して全走行車のスピードを測定し、違反車をデジタルカメラ(CCD)で撮影、映像としてすぐさま警察の中央装置に電送される。この方式は、当時は従来の常識を破る、画期的なものだったのだ。
ところが、日が経つにつれ、あちこちで誤測定の疑いによる訴訟が起こるようになり、2008年、ついに製造メーカーである三菱電機が製造&販売から撤退。さらに、2018年の3月にメンテナンスを含めたすべての対応を終了している。おかげで全国に設置された300機以上の内、半分はすでに撤去され、残りの半分も、いずれは姿を消す運命にある。
とはいってもほとんどがまだ稼働中だから、決して油断しないように!
11.R型オービス
種類:固定オービス
計測システム:レーダー式
検挙形態:後日呼び出し
無人/有人:無人
事前警告:有
レーダー探知機:有効
製造メーカー:三菱電機(株)/松下通信工業(株)
オービスⅢと並ぶ、オービス界(?)の最古参。その測定方式が疑惑いっぱいのレーダー式というこもあり、今や、絶滅危惧種化している。ほとんどがダミーという噂もあるほどだ。
速度測定方式はHと同じだが、撮影をオービスⅢ同様のフィルム式の銀塩式カメラで行っているため、警察のメンテナンスのスパンによっては、「フィルム切れでお咎めなし」というケースもままあるようだ。
いずれにしてもすべてが時代遅れとなり、全数が撤去されるのは時間の問題。レーダー式だからもちろん、レーダー探知機が有効だが、最近の探知機の警告はGPSによる位置情報によるものだけに、ほんとうにレーダー波がでているのかどうかの判断は難しい。反対車線を走り、漏れ電波をキャッチできたら、生きてる証拠だ。
12.LSM-100
種類:半可搬式移動オービス
計測システム:レーザー式
検挙形態:?(パトカーの場合は追尾により検挙)
無人/有人:無人or有人
事前警告:不明(パトカーの場合は無し)
レーダー探知機:無効
製造メーカー:東京航空計器(株)(TKK)
このLSM-100は、基本的には可搬式移動オービスだが、実際の稼働には写真のような電源システムを内蔵した台座が必要となり、ただ三脚に載せればOKのLSM-300にくらべて、取り回しは格段に悪い。が、警察はこいつをパトカーの屋根に載せてレーザーパトカーとして運用している。
ただし、基本的には速度違反をレーザーでキャッチして、すぐさま追尾により違反者を検挙しているので、厳密的にはオービストとは言えない。写真は検挙時に確認の意味で使用しているようだ。
怖いのは、前方からでも後方からでも測定&撮影できること。反対車線を狙っているように見えても、いきなり自分のクルマを追いかけてくる可能性もある。レーザーだけにレーダー探知機は無効だし、建物の陰からも測定できるという意味で、対処法はないといっていい。