ただし、無人というからには、固定式オービスと同じく、非反則行為(赤切符)のみの検挙となるはず。現在、各地で可搬式オービスによる青切符での検挙の例が多々あるが、可搬式の場合は「警察官が現認している」ということを切り札としている以上、無人の取り締まりに関しては例の「最高裁の判例」がものをいうのでは? それとも、スタンスを変え、青切符でもがんがん検挙するつもりなのか。その辺は近々、明らかになるだろう。
固定式オービスは今さら言うまでも無いが、無人速度取締機。どちらかというとクルマの通りは多いが、人目にはつきにくい郊外に設置されている場合が多い。一機ン千万円とも言われる高額機器が、言ってみれば放置されているわけだから、自然、悪戯のターゲットになりやすい。路面据え置き型のL型は強固な金網にガードされ、HやLH等は道路上のアーチに設置され、盗難や放火からリスクヘッジされてはいるのだが。
が、それでもやる人はやる。オービスに撮影された事に気づき、逆恨みで火ををつけたり、中には機器ごと持って行ってしまう強者(?)もいる。最近では国道17号線に設置されている最新型生活道路対応レーダー式オービス、センシスSSSが放火の憂き目に遭っているし、2011年には兵庫県でオービスⅢに灯油か何かをしみこませた布を被せて放火するという事件が起こっている。さらに、2003年には福島県でHシステムの撮影端末が盗まれ一時的に稼働中止に追い込まれているのだ。
動機ははっきりとはわかっていないが、いずれにしても速度違反を犯しオービスに撮影された事への逆恨みではないかと推測されている。ちなみに、オービスⅢの故郷であるはずのアメリカに無人速度取締機が一機もないのは、設置するとすぐ銃で撃たれるからだというが!!
というわけで、岐阜県警のLSM-300Kも、ただ道ばたに置きっ放しにされているとしたら、何かしらの憂き目に遭う可能性はないわけじゃない。逆に盗むとしたら固定式より遙かに盗みやすい。重量があるとは言ってもたかが50kg。大人二人で軽トラかなんかに乗せれば、犯行も短時間で済むはず(よい子はまねしないように!)。
というわけで、岐阜県警の対応に注目だ。