そのためエクリプスクロスは、三菱車らしいガンダムルックを先鋭化させた攻撃的なクーペスタイルから想像するより室内は狭くなく、身長176cm・座高90cmの筆者が後席に座っても辛うじて後頭部がルーフに当たらない程度のヘッドクリアランスは確保されている。
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前方視界も、インパネを水平基調にし、ボンネットを運転席から見やすい形状とし、ドアミラーもドアパネル直付けにするなど、細部まで工夫に富んでいるが、一刻も早く改善してほしい点が1つある。それは、ドライバーの目に近いインパネ上部に、ピアノブラックやシルバーの加飾パネルが上を向いた状態で装着されていることだ。
晴天時はそれらのツヤが太陽光を強烈に反射するため非常に眩しく、視界を遮り集中力を削ぐ大きな要因になる。安全性に直結する問題だけど、最低でもピアノブラックのツヤをもっと抑えてほしい。
C-HRとエスクードのパッケージングについては下記の記事に詳しいが、エスクードはスクエアなボディ形状を活かして小柄ながら視界・室内空間とも広く、C-HRはそのアグレッシブな外観と低い全高の通りに視界も室内空間も狭い。
【スズキ・エスクード1.4ターボ試乗】トヨタC-HRに強力なライバル出現。これはSUVのスイフトスポーツだ! | |
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だが、見た目の質感とデザイン性の高さに対する機能性の両立、という面では一昔前のチューニングカーのようなエスクードと、「無難」の一言に尽きるエクリプスクロスを、C-HRが遥かに凌いでいる。この一点を決め手としてC-HRを選ぶユーザーがいたとしても何ら不思議には思わないほど、その差は圧倒的だ。
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3台のメカニズムの違いは? そして実際の走りは?
そして走りのメカニズムも、3台とも似ているようで大きな違いが見られる。まずエンジンは、
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この3台の中からどれを選ぶかは、こうした小型クロスオーバーSUVに「最低限の悪路走破性」以外の何を優先的に求めるかによって大きく変わる。
そのキーワードは大きく分けて、スタイル、居住性、走り、の3つ。このうちどの2つを取るかで、選ぶべきクルマが決まってくる。
結論、スタイルと居住性ならエクリプスクロス。スタイルと走りならC-HR。居住性と走りならエスクードである。
【Specifications】
<三菱エクリプスクロスGプラスパッケージ(F-AWD・CVT)>
全長×全幅×全高:4405×1805×1685mm ホイールベース:2670mm 車両重量:1550kg エンジン形式:直列4気筒DOHC16バルブ直噴ターボ 排気量:1498cc ボア×ストローク:75.0×84.8mm 圧縮比:10.0 最高出力:110kW(150ps)/5500rpm 最大トルク:240Nm(24.5kgm)/2000-3500rpm JC08モード燃費:14.0km/L 車両価格:309万5280円
<トヨタC-HR G-T(F-AWD・CVT)>
全長×全幅×全高:4360×1795×1565mm ホイールベース:2640mm 車両重量:1470kg エンジン形式:直列4気筒DOHC16バルブ直噴ターボ 排気量:1196cc ボア×ストローク:71.5×74.5mm 圧縮比:10.0 最高出力:85kW(116ps)/5200-5600rpm 最大トルク:185Nm(18.9kgm)/1500-4000rpm JC08モード燃費:15.4km/L 車両価格:279万9600円
<スズキ・エスクード1.4ターボ(F-AWD・6AT)>
全長×全幅×全高:4175×1775×1610mm ホイールベース:2500mm 車両重量:1220kg エンジン形式:直列4気筒DOHC16バルブ直噴ターボ 排気量:1371cc ボア×ストローク:73.0×81.9mm 圧縮比:9.9 最高出力:100kW(136ps)/5500rpm 最大トルク:210Nm(21.4kgm)/2100-4000rpm JC08モード燃費:16.8km/L 車両価格:258万6600円