クルマ好きのおじさんたちは、「お、MTが選べるのか!」と色めき立つところだが、想定ユーザーである若者層にはMTはどう受け止められるのだろう?
まずは価格を比べてみる。
中間グレードのGは
MTモデル:222万4800円
CVTモデル:225万7200円
で、MTが3万2400円お安い。
車重は
MTモデル:1300kg
CVTモデル:1310kg
と10kg、MTが軽い。
新型MTは、従来型MTと比較して、7kg軽く、全長でも24mmもコンパクトに仕上がっているのに、重量差は10kg。最新のCVTの軽さを実感するところだ。
もっと驚くのは、燃費。かつては2ペダルAT(CVT)より、MTの方が燃費がよかった(トランスミッションの伝達効率がMTの方が高いため)ものだが、エンジンとトランスミッションの協調制御が進んで、いまやAT/CVTの方が良好な燃費値をマークするのが一般的になった。とはいえ、たとえば、WLTCの高速道路モードとなれば、MTの素の伝達効率の高さが際立つか、と思ったのだが、実際の数値は、次のようになっている。
燃費は6MTが
WLTCモード:15.8km/ℓ
市街地モード:12.5km/ℓ
郊外モード:16.0km/ℓ
高速道路モード:17.7km/ℓ
JC08モード:16.4km/ℓ
CVTが
WLTCモード:16.4km/ℓ
市街地モード:12.9km/ℓ
郊外モード:16.9km/ℓ
高速道路モード:18.2km/ℓ
JC08モード:19.6km/ℓ
というわけで、どのモードでもMTがCVTに負けてしまうのだ。
燃費で勝てなくて、車重も価格もほぼ同等。それでもMTを選ぶユーザーを、もちろん本サイトは応援したい。MTでクルマを操る愉しさがもはや伝統芸能の域に達していようとも、それをあえて選ぶ、カローラスポーツのユーザーのボリュームが、トヨタの想定より多いことを願っている。