同機能では車両メーカーの工場出荷時に車両に取り付けた送信モジュールが、トランスミッションの状態に関する情報を、車両メーカーのクラウドに転送する。車両メーカーのデータプラットフォームに接続しているZFクラウドは、供給されたデータから構成部品に関する詳細レポートを作成・提供する。その情報によって車両メーカーまたは運送事業者が、メンテナンス計画を立てる事が可能になる。
「メンテナンス事前通知機能により、TraXonをネットワークにつなぐ事で、ZFのトランスミッションおよびデジタル化に関するノウハウを使い、例えば診断レポートなど付加価値の高い情報を車両メーカーおよび運送事業者に提供します。このようにしてZFは、『インテリジェント・メカニカル・システム』を供給するサプライヤーをめざしています」とZFの商用車テクノロジー事業部でトラックおよびバン・ドライブラインテクノロジー部門を統括するヴィンフリート・グリュンドラーは述べている。
ZFはメンテナンス事前通知機能において、トランスミッションオイルやクラッチディスクといった重要コンポーネントおよび消耗部品に重点を置いている。データを常に評価し、適時に消耗部品の交換または修理をすることで費用のかさむ故障を回避できる。その結果として車両の保有コストの大幅な削減が可能だ。
メンテナンス事前通知機能は産業テクノロジー事業分野では風力発電機用のギヤに採用されている。TraXon機能の開発にあたっては、この経験を活用した。またZFは道路交通の未来にも目をむけている。商用車において将来的に自動運転が広まれば、メンテナンス事前通知機能は、長距離物流を支障なく運営するために必須になるとZFは考える。