ジムニーに興味がある人なら全員、スタンバイ中の新型ジムニーを待ちわびていることだろう。
ここはモーターファン・アーカイブ編集部のひとりがお送りする、JB43W・最終9型ジムニーシエラの試乗ページ。
しかも2018年3月に納車されたばかりの個人持ち車両!
自動車雑誌界に身を置きながら新型を待たず、フルチェンジ前の末期型を買うやつがいままでにいただろうか?
・・・・・・いたのですね、ここに。
TEXT &PHOTO●山口尚志(YAMAGUCHI Hisashi)
6月4日、19:30過ぎまで長引いた別室での打ち合わせから自席に戻るやいなや、本モーターファンJPの総責任者・鈴木慎一さん、同編集長・小泉建治さんがじきじきに、「ジムニー買ったんだよね? その試乗記書いて」ときた。
スズキ・ジムニーを買ったことをスズキさんから何度か尋ねられてはいたので、何らかの依頼を予測してはいたが、まさか自前のクルマの試乗記の要請とは思わなかった。
自分で買ったクルマの試乗記なんて聞いたことがないぞ。
いまジムニーはモデルチェンジの直前期にある。
自動車専門誌はおろか、インターネット記事で新型ジムニーの話題がない日はない中、末期モデル、いや、2月の時点で生産を終えたクルマの何をどう書けというのだろう?
よくよく聞けば、新型が出る前は現行にも注目が集まる。ここで「よその出版社やサイトでは書けない、ヤマグチ君のクルマの試乗記を」ということになったらしい。
ふーん、ほう、へぇー・・・
なるほどお説ごもっとも。
私がこの3月上旬に手に入れたのは、ジムニーはジムニーでも、軽自動車のジムニーではなく、1300ccのジムニーシエラなのである。
当然、モデルチェンジ前の最終JB43W・9型。
近年では当のスズキ広報車にさえ存在していなかったクルマの話は、よその出版社にもサイトにもできず、確かに私にしかできない。
モデルチェンジ間近を承知の上で、モデル末期の軽ジムニーにかけこんだ人はいても、ジムニーシエラに手を伸ばした人はそうはいないだろう。
「『モーターファンJP』への何らかの記事掲載をみんなで分担して」と一斉圧力・・・まちがえた、一斉指示を受けていた中、5月31日発売の「日本の傑作車シリーズ13・初代ギャランΣ/Λのすべて」(1080円・ちゃっかり宣伝。買ってね!)刊行作業を隠れ蓑にひとりすっとぼけ、スズキ・・・いや、鈴木さんとはなるべく、なるべ~く目を合わせないようにしていたが、校了を迎え、発売日を過ぎたいまでは、そうそうごまかしも効かなくなってきた。
よし、いっちょやってみますか!
新型を待ってはみたものの、いざ見てみたら好みに合わず、あらためて三代目の中古車を求めようとする人が出てこないとはいい切れない。
少なからず出てくるであろう、このような人たち(ホントに数えるほどだと思うが)のために、三代目末期型ジムニーシエラの使用性や走り、いい点困ったさんな点・・・何らかの参考になることを書き記していきたい(でも、ほんとに読む人いるのかなあ?)。
また、私が属する「モーターファン・アーカイブ編集部」では、3年前の2015年7月に「歴代ジムニーのすべて」を発売している(1080円・また宣伝。買ってね!)が、そのときの内容も回想しながら進めていくつもり。
というわけで、三栄書房での勤務態度と同じくらい言葉づかいも悪いときている私のことだから、お読みの方にはときに不快の念を抱かしめるかも知れないが、それでもよろしければ、みなさま、どうかよろしくおつきあくださいませ。
× × × × × × × × × × ×
さて、この第1回はあいさつ代わりのプロローグ。
だからといってこのままで終わるのもつまらないので、ここでひとつクイズです。
下のジムニーシエラの運転席の写真、ひとつだけ、ヘンなところがあります。
それはどこでしょう?
ではまた次回。
これから、どうぞよろしくお願い致します。
(第2回につづく)
3年前のちょうどいまの頃(6月)が取材時期。
どしゃぶりの中、全身ずぶぬれになりながら臨んだ撮影が懐かしい。
当時(まだいまもだが)、ジムニー素人だった私がいちばん驚いたのが暖房&ヒーター機能。
ずぶぬれになった身体をものの60分で乾かしたほどの性能にぶったまげた。
全世代のメカ解説、使い勝手チェックのほか、「新車情報」のメーンキャスターを務められた三本和彦さんへの「ぶしつけインタビュー・ジムニーと私」を実現し、ご本人に逢えたのもうれしかった。
お求めはアマゾン、または受注センター(03-5357-8802)へ。