「すべての役員の責務は、次世代のリーダーに経営の強い意思を継承することです。私の終わりのない情熱は、23年間スマートに捧げてきました。その成果のひとつが仏ハンバッハ工場を電気自動車専用の施設へとアップデートさせたことです。スマートは都市型モビリティとしての理想を追求し、電気自動車として進化させることができました。こうした情熱を後継者に引き継ぐとともに、これからもスマートとダイムラーの情熱的な大使になりたいと思います」
2012年からスマートのEVを生産してきたハンバッハ工場は、5億ユーロ(約626億円)を投資して改築を決定した。完成後はメルセデス・ベンツのEVブランドである「EQ」シリーズのコンパクトカーを生産する施設となり、20年以降スマートはEV専用モデルとなるという。
ウィンクラー氏のコメントは、こうした大きなプロジェクトを終えたことをひとつの節目として捉えているのだろう。
メルセデス・ベンツ・カーズを統括するダイムラーAGのディーター・ツェッチェ取締役会会長は「アネット・ウィンクラーは長年にわたって活躍し、スマートブランドを絶えず改善してきました。ハンバッハ工場の建設は、スマートをEV専用モデルとして発展させるだけでなく、競争力の高いモビリティとして進化することで、われわれを将来的に有利な立場にしてくれるでしょう。こうした革新こそが、彼女が真の起業家として評価されてきたことなのです」とコメントを発表している。
なお、アネット・ウィンクラー氏は、19年9月1日にメルセデス・ベンツ南アフリカの監査役会のメンバーとなり、ダイムラー社に引き続き残る。後任者は10月1日に発表される予定だ。