住友商事は、 米州住友商事会社を通じて、 車載ハードウェアと人工知能を活用したモビリティーサービス用のクラウドプラットフォームを開発するスタートアップ企業である、 ActiveScaler Inc.に出資参画する。先般、デンソーも同社への出資を決定している。

ActiveScalerは、物流事業者向けに独自開発されたタクシーやトラック等の輸送用車載器と、そこから収集される運行状況や道路状況等をクラウド上で人工知能を利用して分析するノウハウを有している。事業者に対してリアルタイムかつ正確な判断を提供することで、輸送や運送事業のより効率的かつ安全な経営を実現することを可能にする。同社はこの投資を利用して、モビリティオペレータおよびフリートサービスプロバイダーをリードするマネージドMaaSシステムの開発と展開を継続する。




すでにActiveScalerは2015年よりインドにおいてサービス提供を開始し、累計400社、3万5千台分のデータ解析を展開。同社クラウドプラットフォームの信頼性と拡張性が優れている点を実証すると同時に、事業者の効率化に寄与している。2018年下期からは北米およびアジアでのサービス提供を予定していて、将来的には対象エリアをその他の東南アジア地域にも拡大し、サービス対象車輌を増加させる予定だ。




「私たちはMaaSの未来の背後にあるエンジンでありたいと思っています。つまり、現在の車両事業を次世代のモビリティサービスに変える『Managed MaaS』という言葉です」


「従来の車両管理サービスやシステムは、ソフトウェアやハードウェアの初期費用が高く、エコシステムへの統合性が低く、柔軟性がなく、提供できるサービスの種類や品質が制限されているため、急速に時代遅れになっています」


「当社の新しい技術と新鮮なアプローチは、高度な分析と自動化、高度なセキュリティ、および法令遵守を備え、環境への影響を低減するエンドツーエンドのMaaSビジネスを構築する能力を提供します。これは、マルチモード輸送および自律型車両を中心に構築された現在および将来のビジネスにとって不可欠です」


ActiveScaler・CEOのAbhay Jain氏は、このように述べている。




「住友商事は、世界的なフリートマネージメントの旗手であり、乗客と貨物をA地点からB地点まで効率的に輸送するために顧客をサポートしているため、ActiveScalerの技術プラットフォームによる真価を目の当たりにしています」


「この技術は、MaaS事業がフリート効率を最適化し、車両から最高のパフォーマンスを引き出すのに役立つと考えています。我々はActiveScalerとフリートを連携させ支援することを楽しみにしています」


と、米州住友商事会社副社長兼Auto & AerospaceグループゼネラルマネージャーのSam KATO氏は述べた。




住友商事グループは、自動車業界の産業構造変化に伴う事業機会に注目している。本出資を通じActiveScalerを支援することで、次世代モビリティー社会の構築に貢献する。








【企業概要】


 企業名:ActiveScaler, Inc.


 設立:2010年


 本社所在地:Mountain View, California


 事業内容:タクシー業者、 物流業者、 フリート業者、 MaaSプレーヤー向け車載器+クラウドサービスおよびコネクテッドAIプラットフォームの提供

情報提供元: MotorFan
記事名:「 住友商事:米国でのモビリティーサービス用クラウドプラットフォーム開発企業への出資参画について