近年、IoT 技術で用途が拡大しているセンシングおよびアンテナ技術は、厳しい環境下での特性安定性(ロバスト性)が必要とされており、その基幹部品であるコイルを形成するソフトフェライトコアには 応力、温度変化へ対応する特性が求められている。特に自動車用途(キーレスエントリーシステムやタイヤ空気圧センサー)は、使用環境が厳しく、樹脂モールド時の外部応力や使用温度変化に対するインダクタンス(電磁誘導の大きさを表す単位であり、誘導起電力が電流の変化する速さに比例するときの 比例定数のこと)の安定性要求も厳しくなっている。
日立金属が新たに開発した Ni-Zn 系ソフトフェライト材料「ND57S」は、日立金属独自の技術により、フェライト主組成の適正化と、焼成プロセス改良による結晶組織の微細化を実現し、従来材に比べ外部応力・温度変化に対するロバスト性能が向上している。
「ND57S」をキーレスエントリーシステムやタイヤ空気圧センサー用アンテナのコアに用いることにより、小型化、高性能化お よび高信頼性への貢献が期待できる。