(以下プレスリリースより)
この実証事業では、これから約2年間の実証期間を通じて、急速充電器の適正な設置箇所や利用者の充電行動などEVのさまざまな行動パターンのデータを集積、分析し、EV利用距離の延伸の可能性についても評価分析する。
今後、日産自動車と兼松は、本実証事業を通じて、EVのリアルタイムデータやビッグデータビジネスの検討を進める。
NEDOプロジェクトにおいて、日産自動車と兼松株式会社は、急速充電網の整備と電気自動車(EV)ドライバーへのリアルタイム情報サービスの提供を通じ、EVの利用頻度拡大および行動範囲拡大を目指した実証事業を実施していく。
米国は早くからEVに注目し、さまざまな取り組みを実施しているなか、特にカリフォルニア州は、2025年までに150万台のZEV(Zero Emission Vehicle)普及を目標に掲げ、州内で一定台数以上の自動車を販売するメーカーに対して、一定比率のEVやプラグインハイブリッド車などの販売を義務付けること(ZEV規制)や、EV購入者は優先レーンの通行許可が得られるといった優遇措置を充実させ、現在米国において自家用EVの販売台数が最も多い州となっている。
一方、EVの普及が進む同州においても、EVは充電インフラが比較的整備されている都市内での近距離移動などを主とする、限定的な使われ方をされていると言われている。
今般、本実証事業において、日産と兼松は2016年11月14日から準備を進めてきた、海沿いのモントレーから山間部のレイクタホまでの区間に25カ所・55基の急速充電ステーションの回廊(コリドー)を2017年11月14日に完成させるとともに、2016年11月以降、EVドライバー向けに提供しているリアルタイム情報スマホアプリサービス“DRIVEtheARC”を2017年11月に従来より機能バージョンアップし、日産の自動車情報サービスであるNissanConnectとのデータ連携を開始することで、実証事業を本格的に開始した。
この実証事業では、これから約2年間の実証期間を通じて、急速充電器の適正な設置箇所や、利用者の充電行動などEVのさまざまな行動パターンのデータを集積、分析するとともに、EV利用距離の延伸の可能性についても評価分析する。これらの取り組みを通じて、EVの普及と利用拡大モデルの確立を図る。なお、この実証事業における各社の役割は以下の通りだ。
【日産】
• 急速充電器の設置および運用
• EVの行動変化分析
【兼松】
• EVユーザー向け誘導情報サービスなどの提供
• EVやEV充電に関わるリアルタイムデータビジネスやビッグデータビジネスの検討
日産は、世界40カ国以上で「日産リーフ」を始めとしたEVを累計34万台販売(2017年10月末時点)しており、EVの累計販売台数で世界トップシェアを誇る。また、NissanConnectグローバルデータセンター(GDC)に集積された世界各国のEVの走行データをベースに、EVユーザーの利便性のさらなる向上に向け、さまざまな運転・充電行動を検証している。この実証事業では、GDCに集積されたデータの活用を通じて、EV運転頻度および行動範囲の拡大に資する効率的な急速充電網の整備による、EVのさらなる普及拡大を目指していく。
兼松は、M2M/IoT(Machine to Machine/Internet of Things)分野および車載デバイス分野において、日本および米国の先進的な企業との協業により、自動車のM2M/IoTビジネスの開発を推進している。自動車のM2M/IoTソリューションとして、本実証事業においてEVドライバー向けリアルタイム情報サービスを日産と協力して展開し、事業化を検討する予定だ。さらに、M2M/IoTソリューションおよび車載ハードウェア製品の提案によって、より高機能なコネクテッド・カーのシステムやサービスを実現し、EVドライバー向け情報サービスおよび企業向けデータビジネスなどの新たなビジネスモデルの構築を目指している。
本実証事業で得られた成果が米国内のみならず、他の国や地域へ適用されることで、EVの利便性が世界各地で格段に向上し、EVのさらなる普及につながることが期待される。
今後は、EVドライバー向けリアルタイム情報サービスDRIVEtheARCにおいて、データ集積、分析により、充電ステーションの混雑予想情報、EVドライバー運転行動統計情報、全体最適案内の機能バージョンアップを予定している。また、本実証事業を通じて、日産と兼松は、EVのリアルタイムデータやビッグデータビジネスの検討を進める。