三菱電機は高出力化と燃費改善を実現するために、エンジンのアイドリングストップ・スタート、車両減速時のエネルギー回生や加速時のトルクアシストなどを行なうISGシステムを、エンジン出力軸直結型として開発し、まずは、ダイムラーAG社のメルセデス・ベンツ車両向けに量産を開始した。今後は、さらなる小型・軽量・高出力化を図り、自動車の燃費改善によるCO2排出量削減に貢献する。
ISGとは、Integrated Starter-Generatorのことで、スターター兼ジェネレーターだ。モーターとモーターを制御するインバーターで構成される。
1.エンジン出力軸直結型モーターを実現し、燃費改善に貢献・エンジン出力軸にモーターを直結することにより、従来のベルト駆動型に比べて、高出力化と発電量の向上を実現し、搭載車の燃費改善に貢献。
エンジン出力直結型とは、エンジンの出力軸からの力の伝達を、ベルトを介して行なうシステムを言う。
2.モーターの高出力化・薄型化により車両搭載性を向上・独自の分割コア巻線技術により、大電流モーターに必要な太線コイルでも高密度な巻線を実現・モーターの高出力化と薄型化を両立し、車両搭載性を向上
3.インバーターの小型化・高信頼性を実現
・新開発の48V専用トランスファーモールド型パワー半導体モジュールを採用し、熱抵抗の低減や耐久性を向上(トランスファーモールドとは、加熱加圧した樹脂を閉鎖された金型に注入し加圧成形する方法。量産性と信頼性に優れる)
・最適設計した冷却ユニットと合わせて冷却性能を向上し、大幅な小型化と高信頼性を実現