CPC社は自動車部材の設計技術に加え、炭素繊維複合材料の成形技術、アルミ鋳造部品や炭素繊維複合材部品の金型を設計・製造する技術やノウハウも保有する自動車部品製造販売会社である。また、世界最大規模の複合材料専用プレス設備を保有しており、大型部材を開発・成形することが可能だ。三菱ケミカルは、CPC社が持つ部材設計力、成形技術力、開発提案力、欧米自動車メーカーへの商流等を活用することで、三菱ケミカルのSMCやPCMプリプレグという炭素繊維複合材料の自動車部材への採用をさらに加速させることが可能になると考えている。今後CPC社への追加出資も検討していく。
SMCとは、CFRPの中間基材の一種で、長さ数センチメートルにカットされた炭素繊維を樹脂中に分散させたシート状の材料。プレス成形により2~5分程度の短時間で部材に加工可能で、プリプレグと比べて、複雑な形状の部材を成形することができるという特長を持つ。
PCMプリプレグとは、CFRPの中間基材の一種で、当社独自に開発したPCM工法(プレス機で圧縮成形し、約5分のサイクルタイムで、自動車向け部材の量産を可能とする工法)で積層させてプレス成形する際に使用する、連続した炭素繊維に樹脂を含浸させたシート状の材料だ。PCM工法で成形した部材は表面の平滑性が高いため、アウターはクラスA塗装が可能で外板部材としても活用できる。
三菱ケミカルは三菱ケミカルホールディングスグループの中期経営計画「APTSIS 20」における2020年に炭素繊維・複合材料事業の売上高1,000億円を目標に掲げている。その達成に向け、成長著しい自動車用途をはじめとする産業分野へ積極的に事業展開していく。
【CPC社について】
社名:C.P.C. SRL
所在地:イタリア・モデナ市
創立:1959年