モーターこそ先代に引き続きEM57型が搭載されるものの、高出力インバーターが新たに採用されることで、最高出力は109psから150psへ、最大トルクは25.9kgmから32.6kgmへ大幅にアップ。これに伴い、加速性能も大幅に引き上げられ、0-100km/h発進加速タイムは15%、60-100km/h中間加速タイムは30%短縮されたという。最高速度は140km/hだ。
ホイールベース間に搭載されるリチウムイオン式駆動用バッテリーも、24kWhまたは30kWhから40kWhへと大容量化されることで、JC08モードでの航続距離は228kmまたは280kmから400kmへと飛躍的に向上した。2010年12月にデビューした初代リーフの航続距離が当初200kmだったことを振り返ると、この7年間で航続距離が2倍に伸びたことになる。
なお、電極材の変更によって大電流で継続的に充電することが可能になり、新型リーフではバッテリー容量が大幅に増大したにもかかわらず、わずか40分で80%まで充電できるようになった。一方、3kW普通充電時の充電時間は16時間、6kW普通充電時の充電時間は8時間となっている。
初代のツインメーターから一般的なシングルメーターとなり、開放感と機能性が高められたインテリアは、シートやダッシュボード、ステアリングホイールなどにブルーのステッチを施しつつ、メーター内に7インチのフルカラーTFTディスプレイを装着。安全装備の作動状況やモーターの出力・回生状況、オーディオ・ナビの情報などをより分かりやすく表示する。なお、ナビは新たに、アップルカープレイとアンドロイドオートに対応した。
予防安全技術は、すでに発表されている通り、高速道路の単一車線でアクセル、ブレーキ、ステアリングを自動的に制御する「プロパイロット」に加え、4つの広角カメラと12個のソナーで車両周囲を認識し、駐車開始から完了までアクセル、ブレーキ、ステアリングシフトチェンジ、パーキングブレーキを自動で制御する新技術「プロパイロットパーキング」を初めて設定。この「プロパイロットパーキング」では、後ろ向き駐車と縦列駐車だけではなく、前向き駐車も自動で行うことも可能としている。
そのほか、移動物検知機能付きインテリジェントAVM(アラウンドビューモニター)、インテリジェントルームミラー、進入禁止標識検知、LDW(車線逸脱警報)、インテリジェントLI(車線逸脱防止支援システム)、インテリジェントエマージェンシーブレーキ、踏み間違え衝突防止アシスト、後退時車両検知警報、後側方車両検知警報なども用意。高齢ドライバーに多い、踏み間違えや逆走などによる事故の未然防止にも対応した。
この新型リーフは日本の追浜工場、アメリカのスマーナ工場、イギリスのサンダーランド工場で生産され、日本では10月2日、アメリカでは12月、ヨーロッパでは2018年1月より販売が開始される。
そして2018年内には、出力をさらに高めたモーターを搭載するとともに航続距離も延長させたハイパフォーマンスモデルが追加される予定だ。
新型リーフの日本仕様は従来通り、安価なものから「S」「X」「G」の3グレード構成で、価格はそれぞれ3,150,360円、3,513,240円、3,990,600円。初代リーフの30kWhバッテリー搭載モデルはそれぞれ3,197,880円、3,648,240円、4,018,680円で、性能が大幅に進化したにもかかわらず全グレードにおいて価格が引き下げられている。なお、「プロパイロット」のオプション価格は162,000円、「プロパイロットパーキング」は同じく210,600円に設定された。
ほぼ全てが進化して生まれ変わった日産リーフ、その真価を公道で試せる時は近い。