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冬場に気をつけたい水道管の凍結。具体的にどのくらいの気温になると凍結してしまうのでしょうか。
ひとつの目安となる気温は「マイナス4℃」です。気温がマイナス4℃以下になると、水道管が凍結しやすくなります。
また、最高気温が0℃未満の真冬日が続いたときにも注意が必要です。日中でもあまり気温が上がらなければ、水道管の中の水が冷やされたままの状態となり、凍結リスクが高まります。
天気予報で最低気温がマイナス4℃以下もしくは、最高気温が0℃に届かない予報になっているときは、事前に凍結対策をしておくと安心です。「水道管の近くの気温がどのくらいかわからない」というときは、近くに気温計を設置するとよいでしょう。
気温は、水道管の凍結リスクに対する重要な判断材料になります。ただし、条件によっては気温がマイナス4℃以下にならなくても、水道管が凍結してしまうケースもあります。
ここからは「水道管が凍結しやすい条件」を確認していきましょう。
気温以外にも、水道管の凍結につながるいくつかの条件があります。
■設置場所
水道管や給湯器などが屋外に設置されている場合は、凍結が起こりやすくなります。
日当たりの悪さや風当たりの強さが目立つ場所は、特に注意が必要です。
・北側や建物の影など日当たりの悪い場所
・吹きさらしになる場所
などでは、気温がマイナス4℃まで下がらなくても凍結する恐れがあります。
■設置状況
保温対策が施されていない、むき出しの状態で屋外に露出している水道管は、凍結のリスクが高まります。特に、急激に気温が下がった夜間などは、凍結が起こりやすくなるため注意が必要です。
「水道管が屋外にむき出しのままになっていて、なんの対策もしていない」という場合は、このあと紹介する水道管の凍結対策を行っておくと安心です。
■使用状況
冬場に長期間留守にして水道を使用しない日が続く場合も、水道管が凍結しやすくなります。旅行や出張などで長く家をあける予定があるときは、事前に凍結対策をしておきましょう。
tenki.jpでは、気温などを元に各地の水道凍結指数を公開しています。向こう10日間の水道凍結注意レベルをチェックできるので、長期不在がわかっているときの対策にも便利です。寒さが厳しい時期に、ぜひ参考にしてください。
水道管が凍結しやすい条件にあてはまりそうなときは、どのように対策すればよいのでしょうか。水道管の凍結を防ぐための3つの方法を解説します。
■対策1:保温対策を行う
むき出しになっている水道管には、保温対策を施しましょう。
ホームセンターなどで販売している発泡スチロール製の保温材、または使い古したタオルや毛布を巻き、ビニールなどで覆って防水してください。電気式の凍結防止帯を巻いて保温する方法もあります。
メーターボックス内の保温も効果的です。発泡スチロールやタオル、新聞紙などをビニール袋に詰めたものをメーターボックスの中に入れて、空気の侵入を防ぎましょう。ただし、保温する場合は、メーターの検針が可能な状態にしておく必要があります。
■対策2:水の流れを作り凍結を防ぐ
冷え込みが厳しくなることが予想される夜に、「水道から少量の水を流したまま就寝する」という方法もあります。水道管の中に水の流れを作ることによって凍りにくくします。「ポタポタ」ではなく、途切れない程度の「チョロチョロ」を目安に水を流しておきましょう。
水道代は必要になるものの、手軽に着手しやすい対策といえます。
■対策3:水抜栓で水を抜く
就寝前に「水抜栓」で水を抜いておく方法も有効です。水抜栓とは、水道管を凍結から守るために設置されている装置のことです。ハンドル式と電動式があります。
ハンドル式の水抜栓の場合、蛇口を開けた状態で時計回りに水抜栓を閉めると、水道管に空気が入って水が抜けます。
電動式水抜栓には、自動型と手動型があります。自動型であれば気温にあわせて温度センサーが感知し、自動的に水を抜いてくれます。手動型の場合は、水抜ボタンを押して水抜きしましょう。
対策が間に合わず、水道管が凍結してしまうこともあるでしょう。「溶けるのを待つ」ことが難しい場合、どうすればよいのでしょうか。
ここでは、水道管が凍結したときの対処法と注意点を紹介します。
■蛇口が凍結したとき
蛇口にタオルや布をあて、その上からぬるま湯をかけて溶かします。タオルや布をあてることによって、余熱を利用できます。
■立ち上がり管が凍結したとき
ビニール製の「防寒水栓柱」の外ぶたと、その中にある発泡スチロール製の「白い中ぶた」をはずし、水道管に直接ぬるま湯をかけて溶かします。
■メーター前後部分が凍結したとき
メーターの両側にあるパイプ部分にタオルや布をあて、その上からぬるま湯をかけて溶かします。
■注意点
熱湯をかけると急激に温度が上昇し、水道管や蛇口が破損する恐れがあります。高温のお湯は使わず、人肌程度のぬるま湯をかけてゆっくり溶かしましょう。
また、破損につながるため、メーターにはお湯がかからないよう注意してください。
「水が出せないためお湯が用意できない」というときは、ドライヤーの温風や使い捨てカイロをあてて溶かす方法も有効です。
万が一、水道管が破裂してしまったときは、メーターボックスの中にある元栓(バルブ)を閉めてから、破裂した部分に布、テープをしっかり巻きつけ、自治体が指定する給水装置工事事業者へ修理を依頼しましょう。
気温がマイナス4℃以下になると、水道管が凍結しやすくなります。設置・使用状況によっては、気温がマイナス4℃に至らなくても凍結するリスクがあるため注意が必要です。
凍結トラブルが、水道管の破裂や蛇口の破損につながる恐れもあります。水道管が凍結してしまったときは、熱湯ではなく人肌程度のぬるま湯をかけてゆっくり溶かしましょう。
突然の凍結に慌てることのないよう、水道凍結指数や最新の天気予報を参考に、事前に凍結防止の対策をしておくと安心です。
参考:仙台市水道局、福岡市水道局