新しい1年が始まりました。フランスでは1月にガレット・デ・ロワというお菓子を家族や友人と一緒に食べる習慣があります。まさに年明けの風物詩とも言えるガレット・デ・ロワ。みなさん一体どんなお菓子か知っていますか?今回は、ガレット・デ・ロワの由来や楽しみ方などを紹介します。


ガレット・デ・ロワを1月に食べる由来

1月6日、あるいは1月2日から8日の間の日曜日は、キリスト教のエピファニー(公現祭)というキリスト教のお祭りの日です。東方の三賢人(三博士)と呼ばれる3人がキリストの誕生を祝って訪問・礼拝したといわれている日で、キリスト教にとって特別な日です。
この東方の三賢人の来訪を記念して食べるのがガレット・デ・ロワ。フランスでは、これを食べないと一年が始まらないと言われるほど定番のお菓子です。


ガレット・デ・ロワってどんなお菓子?

ガレット・デ・ロワの形や味は地方によって少しずつ異なりますが、一般的にはパイ生地の中にアーモンドクリームを入れたシンプルな焼き菓子で、表面の美しい飾り包丁が特徴的です。
そして、このお菓子の中には一つだけ「フェーヴ(fève)」と呼ばれる陶器の小さなフィギュアが隠されているのが特徴です。
ガレットを家族や親戚、友人と切り分けて食べ、中にフェーヴが入っていた人が今年の王様・女王様。紙製の金色の王冠をかぶって皆から祝福され、幸運が1年間つづくと言われています。そのため、お店で売られているガレットには必ず王冠がついているんですよ。
フェーヴとはフランス語でそら豆を表していて、元々はそら豆が使われていたそうです。19世紀後半ごろから陶器のフィギュアが使われるようになり、この伝統が続いて今に至ります。今では様々な形の焼き物が入っていて、コレクションしている方も多いですよ。


ガレット・デ・ロワの楽しみ方

ガレット・デ・ロワを切り分けるときは、ナイフがフェーブにコツンと当たってしまうことが度々あります。それではどこにフェーブがあるか、すぐに分かってしまいますよね。ガレット・デ・ロワを楽しむためには切り分け方にコツがあるんです。
まず、ガレットを食べるメンバーの中で一番小さな子供が、テーブルの下に入ったり目隠しなどをします。その間に他の人がガレットを切り分け、切り分けたピースを誰に配るかをその子供が順に指名します。
そうすることで、もしフェーブにナイフが当たってしまったり、切り分けたピースから少し見えてしまっていても、誰に当たるかは分からないというわけです。


ガレット・デ・ロワを食べる機会は何度でも

エピファニー(公現祭)の日に限らず、1月中はガレット・デ・ロワがパン屋やケーキ屋の店頭に並びます。1月中は様々なお店の味を食べ比べたり、かわいいフェーブを探したりと、1度ではなく何度も食べる人が多いんですよ。家族や友人と集まって楽しむのはもちろんのこと、社員食堂や学校給食のデザートにも出るんです。学校へ子供を迎えに行くと王冠をかぶっている子をちらほら見かけ、フェーヴが当たったことが一目で分かります。この時期には、王冠をかぶって登校する子供もときどき見かけますよ。

我が家は毎年、パン屋やケーキ屋でガレット・デ・ロワを買います。友人と「あのお店が美味しかったよ」「かわいいフェーヴが入っているのはあの店」などと情報共有しあって楽しんでいます。
中には手作りする人もたくさんいますよ。フランスでは、手軽に使える冷蔵のパイシートがスーパーで手に入るので、これを使えば簡単に作ることができます。
日本でもガレット・デ・ロワを販売するお店が増えてきているようですね。お店で買って楽しむほかにも、スーパーで買える冷凍パイシートを使って、手作りに挑戦してみるのもいいですね。今年は新年のお祝いにご家族や友人とガレット・デ・ロワを楽しんでみてはいかがでしょうか?

情報提供元: tenki.jpサプリ
記事名:「 新年を祝うフランス菓子ガレット・デ・ロワ