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ピーナッツは落花生また南京豆などともいわれ、スナックやおやつのお菓子、おつまみにと香ばしさと充実感のある美味しさから多くの人に愛され人気です。いつ頃から食べられてきたのでしょうか。
元々は南アメリカに生育していたもので、古代アンデス文明の遺跡から紀元前4000~紀元1000年頃のピーナッツが多く出土しているということです。古代文明を支えた食料として大切な役割を果たしていたことが想像されます。
世界に広がるきっかけは15世紀に始まった大航海時代ですが、ヨーロッパではそれほど普及せず植民地となったアフリカの乾燥した土地で栽培が盛んになり、奴隷とともにアメリカへ渡っていったという歴史があります。
アメリカにはピーナッツがぎっしり詰まったチョコレートバーや大きな容器に入ったピーナッツバターなど、映画やドラマ、広告などで目にする機会も多く、生活の中にしっかり根付いているようすがわかります。
日本で栽培されるようになったのは明治時代に入ってからのようですが、ピーナッツを使った郷土料理として沖縄にジーマーミ豆腐が、長崎県五島列島の小値賀島(おじかじま)にもピーナッツ豆腐が伝えられており、明治以前に中国からすでに伝えられていたことも考えられます。
現在ピーナッツといえば生産地として千葉県が有名ですが、ここに至るまでには長い道のりがあったようです。始まりの明治期には栽培に尽力した農家の方の熱意と行政の厚い奨励が、大正から昭和にかけては生産性を上げるために土地にあった品種の改良など、さまざまな努力の積み重ねが行われ実を結びました。
ひと粒、ひと莢のピーナッツに詰まっている人々の思いは計り知れないですね。
ピーナッツの豆は地中に実ります。マメ科ですが実のなり方はとっても不思議です。たいていの豆は花が終わると付け根に莢ができ、その中で豆が成長しますがピーナッツは違います。花が咲き落ちると茎の元から子房柄という柄が伸びて地中にもぐり莢をつけ豆が育つのです。まさにピーナッツが「落花生」といわれるゆえんです。
九月に入ると収穫が始まります。地中にできた豆は引き抜かれ、莢の中で豆がカラカラと鳴るくらいまで畑で一週間ほど自然乾燥されます。さらに円筒型に積み上げた野積みの形で乾燥を続けます。約ひと月で乾燥が終わると莢だけが取り出され出荷となるのです。それぞれ製品としてこの後さまざまな加工が施されていきます。
私たちが通常手に取る乾燥したピーナッツは、九月に収穫が始まってから新しい豆がお店に並ぶまでにはかなり時間がかかることがわかります。ピーナッツの旬がわかりづらい事情もこの辺りにありそうです。
ピーナッツは収穫し立ての生が美味しい! と教えてくれたのは千葉に住む友人でした。生のピーナッツを炊き込みご飯にして振るまってくれた時の味わいは忘れられません。フレッシュで甘味があり柔らかく初めての美味しさに心から感動しました。
最近はお店にもよりますが旬の時期になると、収穫したてのピーナツが枝についた姿で見かけることがあり嬉しくなりました。また茹でたピーナッツがパック包装されたり、冷凍になったりと手軽に味わえるようになってきています。ポリポリとした食感とは全く違うピーナッツの柔らかさや味わいが楽しめます。お料理や味覚のレパートリーが広がること請け合いです。ぜひお試しください。
ピーナッツの栄養成分を調べてみるとカロリーも高いですが、タンパク質・脂質・炭水化物の三つの栄養分がバランスよく含まれていることに気づきます。これを上手く利用すれば時間に追われてしまう朝食でも、手軽にきちんと栄養を取って一日を始められそうです。
朝はパン! という方も多いことでしょう。トーストにバターは定番、そしてとろりと溶けたバターの塩味が沁みたパンの美味しさは格別ですが、脂肪や塩分を考えるとちょっと抑えたい、という思いもまた湧いてきます。
そこで提案! バターを無糖のピーナッツバターに替えてみませんか? ピーナッツバターはカロリーと脂質はバターより低く、一方でタンパク質と炭水化物が豊富に含まれているのでお腹持ちもよく、一日のスタートの食事にぜひ取り入れたい食品ではないでしょうか。
ペースト状のピーナッツバターはお惣菜としても使えそうです。胡麻の代わりに和えものやドレッシングに使ってみるのはいかがでしょう。また味噌と合わせても味とコクの変化が楽しめそうです。
素炒りのピーナッツは味がついていないので料理に最適です。砕いてサラダのトッピングにしたり、フライの衣として使えば香ばしさが食欲をそそります。他にも工夫でたくさんのレシピが生まれそうです。ヘルシー志向の中で必要な栄養をきちんと摂取したいと考えた時、ピーナッツは大いに利用価値があると気づきます。
参考:
【全国落花生協会】
【食品成分データベース】