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道路交通法第71条の3に定められている「普通自動車等の運転者の遵守事項」では、必ずシートベルトを装着することが義務づけられています。[注1]
また、同条3の2では、自動車の運転者は同乗者にシートベルトを装着させることを義務としています。つまり、高速道路で車に乗っている人は、運転者・同乗者問わず、全員がシートベルトを着用しなければなりません。
なお、同乗者にシートベルトを着用させる義務があるのは、同乗者本人ではなく、その車を運転する人です。高速道路で同乗者がシートベルトを装着しなかった場合、その責任は運転者が負うことになりますので注意しましょう。
[注1]e-Gov法令検索:「道路交通法」
■シートベルト着用義務の例外
車に乗車する人間は、原則としてシートベルトを着用する義務がありますが、一部例外もあります。
道路交通法施行令第26条の3の2では、シートベルトの着用義務について、以下の場合は免除すると定めています。[注2]
負傷もしくは傷害のため、または妊娠中であることにより、シートベルトを装着するのが難しい場合
著しく座高が高いまたは低い、あるいは著しく肥満しているなど、身体の状態によって適切にシートベルトを装着することができない場合
自動車をバックするために運転するとき
シートベルトの数が足りないとき(乗車人員の制限を超えない場合に限る)
なお、幼児は2に該当しますが、道路交通法第71条の3の3において、幼児には幼児用補助装置(チャイルドシートなど)を使用させることが義務づけられています。[注1]
[注2]e-Gov法令検索:「道路交通法施行令」
高速道路でシートベルトを着用しないと、以下のようなリスクがあります。
■全身を強打する可能性がある
シートベルトを着用しない状態でほかの車や壁などに衝突する、あるいはほかの車に衝突されると、事故の衝撃で全身が前部の座席やドア、天井、ハンドルなどに叩きつけられる可能性があります。
60km/hで走行している車が衝突したときの衝撃は、高さ14mのビルから落下するのとほぼ同等といわれており[注3]、場合によっては命にかかわる大ケガをするおそれがあります。
実際、シートベルトを着用しない場合の致死率は、着用していた場合の14倍に及ぶというデータもあります。[注4]
[注3]宮崎県警察本部:「全身シートベルトの着用を」
[注4]国土交通省:「シートベルト非着用者の致死率は着用者の14倍」
■車外に放り出される可能性がある
シートベルトを着用していないと、体を固定するものがないため、衝撃の勢いで車外に放り出されてしまうことがあります。車外に投げ出されると、全身を硬いアスファルトに打ち付けたり、後続車に轢かれたりする可能性もあり、場合によっては命を落とす危険性があります。
■運転席や助手席の人がケガをする可能性がある
後部座席の人がシートベルトを着用していないと、強い衝撃を受けたときに運転席または助手席の方向に体が投げ出されてしまいます。運転席または助手席にいる人は、シートの後ろからの衝撃と、車から飛び出たエアバッグに挟まれてしまい、頭部に大ケガをする危険性があります。
最悪の場合、命に関わることもあるため、前部座席にいる人だけでなく、後部座席にいる人も必ずシートベルトを着用することが大切です。
シートベルトを着用せずに高速道路を走行していると、座席ベルト装着義務違反となり、違反点数1点の累積となります。[注5]
チャイルドシートを使用していなかった場合も同様で、違反点数は1点です。また、高速道路の場合は、後部座席の人がシートベルトをしていなかった場合も違反点数1点の累積となります。
一般道の場合は、後部座席のシートベルト装着義務違反について罰則がないため勘違いしがちですが、高速道路の場合は罰則の対象となることを心に留めておきましょう。
なお、罰則を受けるのは自動車の運転者のみです。道路交通法の定めにもあるように、同乗者にシートベルトを着用させるのは運転者の義務だからです。
運転者本人はシートベルトを着用していても、同乗者がシートベルトを着用していなかった場合は違反点数が累積されますので注意が必要です。
[注5]警察庁:「交通違反の点数一覧表」
高速道路では、運転者だけでなく、同乗者全員にシートベルトの着用義務があります。
シートベルトを着用していないと、事故に遭ったときに全身を強打したり、車外に投げ出されたりする危険性があり、最悪の場合、命を落としてしまうこともあります。
また、シートベルトを着用せずに高速道路を走行していると、座席ベルト装着義務違反となり、違反点数1点が累積されます。
高速道路の場合は一般道とは異なり、後部座席も違反の対象となりますので、高速道路を走るときは運転者、同乗者全員でシートベルトの着用を忘れないようにしましょう。
また、高速道路で運転するときは事前に天気などをチェックしておくことをおすすめします。天気予報専門メディア「tenki.jp」では、気象影響リスクのある道路区間を公開しています。高速道路を安全に走行するためにも、ぜひご活用ください。