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高速道路で逆走してしまう理由は、大きく分けて3つあります。
■1.本来のルートに復帰するための逆走
目的とするICを通り過ぎてしまった、ICやJCT等で分岐を間違えてしまった、などの理由で誤ったルートを辿ってしまい、本来のルートに戻ろうとして逆走してしまうケースです。
高速道路での逆走発生状況は、「故意」「過失」「認識なし」の3つに区分されますが、本来のルートに復帰するための逆走は故意に行われることが多いようです。
また、故意ではなく過失のケースでは、一般道から高速道路に誤って侵入してしまい、結果的に逆走してしまったという事例もあります。
■2.進行すべきルートを誤って逆走
過失のうち、最も多いのが進行ルートを誤って逆走するパターンです。
たとえば、一般道からICの料金所に入る際、誤って出口方向から侵入してしまうなど。周囲には標識などがあるので、本来は間違いようがないのですが、ほかのことに気を取られていたら、いつの間にか出口から侵入していたというケースも少なくないようです。
■3.認知能力の低下
高齢ドライバーの逆走案件で多いのが、認知能力の低下による逆走です。故意はもちろん、過失であっても、自車が逆走していることにはすぐ気づくはずですが、ドライバーの認知能力が低下していると、逆走していることそのものの認識がありません。
こうしたケースは周囲が逆走に気づいてストップをかけないと、何キロも逆走してしまう場合が多く、重大な事故に繋がるリスクが高くなります。
高速道路を走行中、逆走している車を発見した際は、まず自車の速度を十分に落とします。スピードを上げたまま走行し続けると、目の前に逆走車が迫ってもとっさに対応できず、衝突事故に発展してしまうおそれがあるからです。
逆走車が前方に迫ったら、なるべく距離をあけてすれ違います。必然的にガードレールなどの側を走ることになりますので、車体をこすったりしないよう注意しましょう。
逆走車とすれ違ったら、同乗者に110番通報してもらうか、あるいは最寄りのSA等の非常電話や、料金所スタッフに、逆走車がいたことを申し出ます。
逆走車について報告すると、当該高速道路に逆走している車がいることが、情報板やハイウェイラジオ等で直ちに通知されます。自分が逆走車を見かけた場合でなくても、情報板やハイウェイラジオなどで逆走車がいることがわかったら、前方に十分注意して走行しましょう。
高速道路で逆走してしまった場合は、以下の手順で対応します。
■1.安全な場所に停車する
逆走していることに気づいた時点で、近くの安全な場所に停車し、ハザードランプを点灯させます。無理に転回しようとすると、かえって事故を起こすリスクが高まりますので、向きは逆走時の状態のままでかまいません。
■2.安全な場所に避難する
逆走車は、前方から来た車に衝突されるおそれがあります。車内に留まっていると大変危険なので、停車したら速やかにガードレールの外側などの安全な場所に避難しましょう。
■3.通報する
110番または非常電話で逆走してしまったことを通報します。なお、高速道路を逆走した場合、通行区分違反となり、2点の減点と9,000円(大型車は12,000円、小型車は7,000円)の罰金が科せられます。[注2]
[注2]警視庁:交通違反の点数一覧表
高速道路の逆走は年間に200件ほど発生しています。原因はさまざまですが、降りるICを通り過ぎてしまった、誤って高速道路に侵入してしまったなど、誰にでも起こり得るミスが要因である場合がほとんどです。
とくに天気が悪くて見通しがきかない日や、何かに気を取られているときは大事な標識を見落としがちですので、高速道路を走行中はいつもよりも十分注意して運転することを心がけましょう。
高速道路には道路標識が設置されているため、気をつけて運転していれば逆走してしまうことはそうありません。
しかし、雨や雪が降っているときは視界不良になりやすく、標識をうっかり見落としてしまう可能性があります。出発地は晴れていても、途中走行する高速道路では雨や雪が降っていることも考えられますので、事前に現地の天気を確認しておくことをおすすめします。
天気予報専門メディア「tenki.jp」では、雨や雪といった気象影響リスクのある道路区間の情報をお知らせする「道路の気象影響予測情報」をWeb上で公開しています。
走行する予定の高速道路に気象影響リスクがあるとわかったら、走行時は通常よりもさらに安全運転を心がけるようにしましょう。