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2つの1等星と5つの2等星が輝き、ひときわ存在感のあるオリオン座。『ギリシア神話』に登場する狩人オリオンの姿が、夜空に雄大に描かれています。腰の位置に並ぶ三ツ星を挟んで、肩の位置で輝く赤い1等星「ベテルギウス」と、足のあたりで輝く青白い1等星「リゲル」には、それぞれ「わきの下」、「足」という意味があります。
三ツ星の下に縦に並ぶ3つの星は、「小三ツ星」と呼ばれており、中央に位置するのは「M42オリオン大星雲」。暗い空では肉眼でも見ることができ、双眼鏡や望遠鏡などを使えば「三ツ星」と「小三ツ星」の両方が視野の範囲内に収まります。星雲の王様ともいわれるM42オリオン大星雲を、ぜひ観察してみたいですね。
オリオン座の三ツ星から左下の方に目を移すと、青白く輝く星「シリウス」が見つかります。マイナス1.5等級のシリウスは全天21の1等星のなかで最も明るい星で、イヌの鼻先あたりに位置しています。天の川を挟んで向い合っているのは「こいぬ座」。目をひくのは0.4等級の「プロキオン」です。
オリオン座の「ベテルギウス」とおおいぬ座の「シリウス」、こいぬ座の「プロキオン」を結んだ「冬の大三角」は、冬の星座や星を見つける目印になっています。シリウスとプロキオンに、ふたご座の「ポルックス」、ぎょしゃ座の「カペラ」、おうし座の「アルデバラン」、オリオン座の「リゲル」を加えた冬の1等星6個をつないでできるのが「冬のダイヤモンド」。今シーズンは、明るさを増した火星がダイヤモンド内に位置し、一等星との共演が楽しめます。
7つめの一等星は、りゅうこつ座の「カノープス」。シリウスに次いで全天で2番目に明るい星でありながら、あまり目にする機会がないのはなぜなのでしょうか。カノープスは、日本の多くの地域では南中高度(南の空で最も高くなる時の高度)が非常に低くなります。そのため、見える地域も限られ、見つけにくく星とされているのです。
観測できる計算上の北限は北緯約37.9度で、それより北ではカノープスは地平線より上に昇りません。南の地域ほどカノープスの南中高度が高く、比較的見つけやすくなります。関東以南では、南の水平線あたりに現れるカノープス。観測に挑戦してみるのも一興です。
冬は空気が澄みわたり、星の色の違いも際立つ時です。上空の空気の流れが強いため、星がキラキラと瞬いて見える効果も。一年中でもっとも星空が美しい季節を、存分に楽しみましょう。
参考サイト
アストロアーツ「冬の星空を楽しもう」
88星座図鑑「冬の星座」