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南アメリカ大陸の南東部、ブラジルとアルゼンチンの間に位置するウルグアイ(正式国名:ウルグアイ東方共和国)。こちらの国旗はシンプルなデザインに見えますが、白と青のラインがそれぞれ何本ずつあるのか、ほとんどの日本人が知らないのではないでしょうか。
正解は上から交互に白が5本、青が4本です。ちなみに白は“平和”を表し、青は“自由”を表しています。そして難易度をさらに上げているのが国旗左上にあるマーク。よく見ると顔のある太陽が描かれています。これは「5月の太陽」と呼ばれ、独立の精神を表しておりアルゼンチン国旗などにも描かれています。
サッカー好きの間では有名な話ですが、実はウルグアイはFIFA(国際サッカー連盟)が主催するFIFAワールドカップの第一回開催国です。しかもその大会を優勝したワールドカップ初代チャンピオンでもあり、続く第四回のブラジル大会も優勝したほどのサッカー強国!現在でもFIFAランキングの上位にたびたびランクインしており、ヨーロッパのトップリーグにも多くの選手を輩出しています。
ヒマラヤ山脈を国境に持つ神秘の国ネパール(正式国名:ネパール連邦民主共和国)。こちらの国旗の特徴は何といっても三角形を二つ並べたような特異な形です。世界で唯一、四角形以外の形をした国旗として知られています。ただ、国旗の中に描かれている月と太陽の形を記憶している人は少ないのではないでしょうか。描かれている月は“王室”を表し、太陽は“宰相一家”を表しているとされています。
一説には、ネパール北部の山岳地帯で暮らす先住民の方々は、日本人と非常に似た遺伝子を持っているといわれており、彼らの顔や身体の特徴は日本人によく似ています。また、日本に咲く桜の祖先はネパールの山奥で生まれた山桜という説もあり、様々な点で日本と強いつながりを持っている可能性があるといわれています。
人口が13億人以上にのぼるインド(正式国名:インド共和国)は、世界で2番目に人口が多い国です。その国民の多くがヒンドゥー教、イスラム教、仏教を信奉しています。この宗教の関係がインド国旗のデザインと深く関わっているのをご存知でしょうか。インド国旗のオレンジ(サフラン)色はヒンドゥー教を、緑色はイスラム教を、そしてその間にある白色は平和を表しています。
一見簡単なデザインに見えるインドの国旗ですが、白地に描かれた紋章が難易度を跳ね上げています。この紋章は「アショーカ・チャクラ」といって、24本のスポークをもった車輪の形をした仏教の経典に登場する法輪を意味しています。アショーカ・チャクラのスポークの本数を覚えれば、なんとか空で描けるかもしれません。
13億人以上もの人々が生活するインドの公用語は憲法にヒンディー語と規定されています。しかしヒンディー語を覚えたとしても、現地の人たちと円滑にコミュニケーションがとれるとは限りません。実際、ヒンディー語を話す人たちはインド全人口の4割程度で、残りおよそ6割の人々は約280にのぼるともいわれる異なる言語を使っています。国土が日本の約9倍もあり、地方によっても気候や食、文化がバラバラ。そのため、地方から都市部に出てくる人は同じインド人であっても、外国に来たかのようにコミュニケーションをとることに苦労すると言われています。インドを旅行する際は一つの国というより、一つの大陸を旅するというイメージを持って臨んだ方が良いでしょう。
南太平洋に浮かぶ33もの島々で構成されている島嶼国家キリバス(正式国名:キリバス共和国)。その国旗自体をあまり目にすることがないため、日本での知名度は低いと思われます。こちらの国旗の特徴は曲線を折り重ねた珍しいデザイン。青と白の波型の線を交互に3本ずつ重ねることで南太平洋を表現しており、その上に太陽を描くことで“世界で一番早く太陽が昇る国の一つ”ということを表しています。また、太陽の上を飛ぶ鳥はコグンカンドリ(小軍艦鳥)という鳥で“希望の象徴”として描かれています。
キリバスは同じ太平洋上に浮かぶ島国のツバルと同様、地球温暖化による海水面上昇によって将来的に国土が消滅する危険があると言われています。日本人を含め、同じ地球に暮らすすべての人々がCO2などの温室効果ガスの排出を抑える努力が必要です。
サッカーと世界最大のカーニバルが有名な南米大陸の大国ブラジル(正式国名:ブラジル連邦共和国)。その国旗は各方面でたびたび目にするため、簡単な部類のデザインと思われがちですが、ディテールに目を向けると半端じゃなく難易度が高いデザインであることに気づきます。
まず国旗中央に配置されている群青色の丸の部分には、ブラジルが共和制になった1889年11月15日のリオデジャネイロ市の夜空が再現されています。南十字星を中心に描かれた27の星が首都と州の数を表しているのですが、その正確な配置を覚えるのが至難の業。そして星空を横切る帯には“秩序と進歩”という意味のポルトガル語「ORDEM E PROGRESSO」が。このレベルになると実物を見ながらでないと描くことはほぼ不可能です。ちなみに、国旗の緑の部分は森林を、黄色部分は鉱物資源を表しているとされています。
ブラジルの国名は赤い染料の原材料となる「ブラジルの木」が由来となっています。大航海時代にヨーロッパ人がこの地を発見した際、このブラジルの木がたくさん生えていたことから“ブラジルの木がある土地”と呼ばれていました。“ブラジルに生えている木だからブラジルの木”なのではなく、“ブラジルの木が生えている土地だからブラジル”という国名になったとは!植物が国名の由来になっているというのには驚きです。
実物を見ながらでないと描くのが難しい国旗の数々をご紹介しました。何も見ないで正確にすべて描けるという人はかなりの国旗通です。ただし、今回ご紹介したのは初級編なのでまだまだ簡単な部類。世界にはさらに高難度の国旗が存在します。次回は“実物を見ながらでも描くのが難しい”国旗の数々をご紹介したいと思います。