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洗濯によって衣類の色が落ち、まだらになってしまう原因は大きく分けて2つあります。
■1.塩素系漂白剤を使って洗濯している
一般的な洗剤は、衣類に付着した汚れを浮かせ、剥がして落とす仕組みになっているので、色柄ものを洗ったとしても、色落ちしたり、まだらになったりする心配はありません。一方、塩素系漂白剤には衣類に染みこんだ色素を根元から分解するほどの強力な漂白効果があるため、汚れとともに衣類の色・柄まで白くしてしまいます。
塩素系漂白剤は原則として白色・無地の衣類にしか使えませんので、色柄ものへの使用は控えましょう。なお、色柄ものの衣類に使ったおぼえはなくても、塩素系漂白剤を使用する際、近くに色柄ものの服が置いてあると、知らない間に液が飛び散ってしまう可能性もあるので要注意です。
■2.蛍光増白剤入りの洗剤を使って洗濯している
蛍光増白剤とは、目に見えない紫外線を吸収し、蛍光に変えるはたらきをもつ物質のことです。見た目の白さを増す効果があるため、白物衣類の多くには、製造の過程で蛍光増白剤が使用されます。蛍光増白剤の効果は時間と共に低下していきますが、蛍光増白剤入りの洗剤を使用すると、白さを長持ちさせることが可能です。
ただ、生成りやパステルカラーの服に関しては、素材本来の色を活かすために、あえて蛍光増白剤が使われていません。そうした衣類に蛍光増白剤入りの洗剤を使用すると、色味が変わり、まだら模様になってしまう可能性があります。
では、洗濯で色落ち・まだらになるのを防ぐにはどのような洗い方・干し方を実践すればよいのでしょうか。
ここでは、色柄ものを洗濯する際に注意したいポイントや、正しい洗い方・干し方のコツを4つご紹介します。
■1.洗濯表示をチェックする
はじめて家庭で洗濯する衣類は、必ず事前にタグをチェックし、洗濯表示の内容を確認する習慣をつけましょう。特に色柄ものの衣類を洗うときに注意したいのは漂白処理の記号で、白い△のマークがついているのなら塩素系・酸素系両方の漂白剤を使用可能ですが、△に×印がついているものは「塩素系・酸素系漂白剤の使用禁止」の意味ですので、漂白剤の使用はNGです。[注1]
また、△に斜線が入った衣類は、塩素系漂白剤の使用は禁じられているものの、酸素系漂白剤の使用は可能ですので、自宅で使用している漂白剤の種類を確かめてから洗濯に使用しましょう。
■2.事前に色落ちテストを行う
衣類にタグがない場合や、大切な衣類を洗うときは、あらかじめ色落ちテストを試しておくと安心です。やり方は簡単で、綿棒に漂白剤を少量つけ、衣類の目立たない部分(裾や袖の裏など)に数分置いておくだけです。数分後、綿棒を確認してみて、色が移っていなかったら、漂白剤を使って洗濯しても色落ち、まだらになる可能性は低いといえます。
逆に、綿棒にうっすらとでも色が移っている場合は、洗濯で色落ちし、まだらになってしまう可能性が高いので、漂白剤の使用は控えましょう。
■3.洗濯が終わったらすぐに干す
濡れた衣類を長時間放置すると、染料が水に溶けて色落ちし、まだら模様になるおそれがあります。洗濯が終わったら、時間を置かずにすぐ取り出して干すことを心がけましょう。
■4.色柄ものは陰干しする
色柄のある衣類を直射日光があたる場所に干すと、紫外線の影響で退色し、まだらになる原因となります。色柄ものの衣類は原則として直射日光があたらない場所で陰干しするか、屋内で部屋干しすることを心がけましょう。
[注1]消費者庁:家庭用品品質表示法に基づく繊維製品品質表示規定の改正について[pdf]
塩素系漂白剤や蛍光増白剤入りの洗剤を使って色落ちしてしまった衣類は、原則として元に戻すことはできません。お気に入りの衣類で、どうしても元に戻したい!という場合は、専門業者に依頼し、同じ色を使って染め直してもらう必要があります。ただ、元の色にぴったり合わせて染め直すのは難しく、微妙に色味の異なる衣類に仕上がってしまうおそれがあります。
また、染め直しにはそれなりの費用がかかりますので、よほど思い入れのある衣類でもない限りは、あきらめて新調した方がよいでしょう。
色柄ものの衣類に、塩素系漂白剤や蛍光増白剤入りの洗剤を使用すると、色が落ちてまだら模様になってしまう可能性があります。色柄ものを洗濯する際は、あらかじめ洗濯表示の漂白処理の項目を確認してから、漂白剤の使用や洗剤の種類を決めるようにしましょう。
また、水に濡れたまま長時間放置したり、直射日光に当てたりするのも色落ちの原因となりますので、洗濯が終わったらすぐに取り出し、陰干しすることが大切です。
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