そろそろ寒さにも飽きて、春を感じたくなる季節です。今回は、身近にある、この時期に咲く花に注目してみます。庭木を愛でたり、お家の中に飾ったり…写真を撮って飾る、というのも楽しいのではないでしょうか。見て、心に留めて、少し早めの春を楽しみましょう。

こちらはスイセン


春といえば、やはり思い浮かぶのが、桜。2月になると、品種や地域などによっては、咲き始めるものがあります。その中から、早い時期に開花を迎える桜の種類を2つ、ご紹介します。
<寒緋桜 カンヒザクラ>
バラ科の野生種。花自体はさほど大きくなく、一重咲きです。薄い桃色の花を咲かせる桜とは違って、濃い紫がかった紅色の花をつけるので、目にも鮮やかな桜です。日本では気候の暖かい沖縄で、ひと足早い桜の開花ニュースを目にする方も多いのではないでしょうか。沖縄県の桜の開花の基準となる木となっています。ハラハラと舞い散る花弁の桜とは違い、芍薬のように花ごと落下します。
<河津桜 カワヅザクラ>
先の寒緋桜と日本の固有種である大島桜との自然交雑で生まれたのが、河津桜です。栽培品種なので、接ぎ木などで園芸栽培ができます。柔らかな色の紅色の花を咲かせます。また、大島桜由来の大きな花を咲かせます。まだ寒さの残る、少し早い時期から咲き始め、花期が1ヶ月ほどと長いので、園芸品種としても人気があります。


桜と同じ、バラ科の木です。英語では「Japanese apricot」と呼ばれ、その「日本の杏」の名の通り、近しい木であるアンズやスモモなどと複雑に交雑しているものがほとんどです。主に観賞用の花梅と、梅干しなどの食用に利用される実梅とに分けられます。古くから日本で愛でられてきた木でもあり、春の季語でもあります。歌にもたくさん詠まれており、「好文木(こうぶんぼく)」や「春告草(はるつげぐさ)」など、様々な別名を持ちます。また「塩梅」などのように、具合や加減、様子を表す言葉としても使われたりします。梅の花が咲き出すと、春の訪れを感じる人も多いのではないでしょうか。


菜の花

アブラナ科の植物で、目に鮮やかな黄色の花を咲かせます。群生させている畑なども多く、訪ねたことがある人も多いかもしれませんね。一般的に言われている、黄色い花は「西洋油菜(セイヨウアブラナ)」を指しています。「菜花(ナバナ)」と呼ぶ場合もあり、その際には食用を意味して、もう少し広い範囲の植物を含みます。食用油の原料にしたり、茹でるなどして食したりもします。また、養蜂で好まれる花でもあります。繁茂しやすく丈夫なため、河川近くや畑、荒れた土地などでも見かけることができます。
春雨前線の別称として「菜種梅雨」という言葉が使われることもあります。3月〜4月にかけてのぐずついた天気を指しています。まさしく、この時期を代表する植物と言えるのではないでしょうか。


ふき

若い花芽を「蕗の薹(ふきのとう)」と呼び、春の山菜としても知られています。日本原産で、広く分布しています。多年草で、茎は地上にはあまり伸びず、地下茎として、横に長く伸びて繁殖します。地下茎には毒があります。早春から5月頃に花期を迎え、葉が地表に出ないうちの花穂を「蕗の薹」と呼んでいます。雌雄異花で、雄花は花粉をつけるため、やや黄みがかった白色に見えます。雌花は受粉後には花茎が伸びて、たんぽぽのような綿毛をつけ、風に乗って種子を飛ばします。


雛菊

「デイジー」と呼ばれることも多いので、こちらの呼び名がしっくりくる方も多いかもしれませんね。直径5cmほどの、白〜濃いピンクの花を咲かせます。一重咲きは白い花が特徴で、八重咲きのものは花弁が密集しているものや色の濃いものなど様々です。光を受けて花開き、くっきりした黄色の花芯を見せる特性があります。また寒さに強く、たくさんの花をつけるため、園芸品種や切り花としても人気があります。


福寿草

早春に芽を出して、4月頃まで花が楽しめる福寿草は、春をいち早く感じさせる草花でもあります。旧暦のお正月あたりが花期にあたるため、「ガンジツソウ・ガンタンソウ」とも呼ばれて、その名前とともに、花言葉の『幸福』や『幸せを招く』などからも、縁起の良い植物として親しまれています。江戸時代から花の美しさが好まれており、花の形や色など、園芸品種が多数あります。


クロッカス

早春の代表的な花のひとつである「クロッカス」。丈夫で育てやすく、手軽に楽しむことができます。学校などで、育てた経験がある方もいるのではないでしょうか。土だけでなく、水耕栽培も可能です。品種も多く、花の色や咲く時期などで、複数を育てて楽しんでいる方も多いようです。また品種によっては晩秋に花期を迎えるものもあります。

見るだけでなく、身近にも置いておきたくなる季節の花。ぜひ楽しんでみてくださいね。

情報提供元: tenki.jpサプリ
記事名:「 春を呼び込みたい!目にも、心にも。身近な花を楽しみましょう