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茶碗蒸しの具というと、普通は鶏肉、しいたけをはじめ、彩りがよいエビや紅白かまぼこなどが定番です。あなごやアサリを入れたり、花形にんじんやイクラをのせたりすることもあります。
そして、底のほうには銀杏が沈んでいます。銀杏は茶碗蒸しでしかお目にかかることがない、という人も多いのではないでしょうか。また、お正月には、ホクホクしたゆり根が入っていることもあります。大きめの器で作るときは、うどんを入れて「小田巻き蒸し」にすることも。
茶碗蒸しは基本的に卵とだし汁の組み合わせなので、どう考えても「栗のかんろ煮」が入る余地はなさそうですが…。
ところが、北海道、青森、秋田では、茶碗蒸しの中には、なぜか栗のかんろ煮がゴロンと入っています。栗以外の具は、定番の鶏肉やしいたけ、エビやかまぼこなどが使われますが、なぜか銀杏だけは入っていません。つまり、銀杏のかわりに栗のかんろ煮が入っている、ということになるわけです。
さらに、茶碗蒸しの味自体も甘めです。だし汁そのものに砂糖を加えるので、ちょっと甘い味になるのです。甘めのだし汁に甘い栗のかんろ煮。ほかの地域の人からみたら、びっくりするような組み合わせですが、北海道、青森、秋田ではこれが定番の茶碗蒸しです。
北海道の朝の情報番組で、道民に「茶碗蒸しに欠かせない具は?」とアンケートをとりました。選択肢は四つ。
「A. 栗」「B. 銀杏」「C. 鶏肉」「D. エビ」
5人のキャスターの回答は、Bの銀杏が3人、Cの鶏肉が1人、Dのエビが1人でした。あるキャスターは、茶碗蒸しにはなんといっても銀杏が欠かせない、としていました。
ところが、アンケートの結果はまさかの栗が1位となりました。
「A. 栗 49%」
「B. 銀杏 9%」
「C. 鶏肉 25%」
「D. エビ 17%」
鶏肉やエビをおさえて、栗のかんろ煮が約半数をしめ、堂々の1位です。銀杏にいたってはわずか9%。スタジオの5人のキャスター陣からは驚嘆の声が上がりました。やはり、北海道民にとっては、茶碗蒸しの具に栗のかんろ煮は絶対にはずせない、ということが証明されました。
※この調査の結果はSTV(札幌テレビ放送)の公式サイトで見ることができます。
STV(11月18日「ナニ派?リサーチ」)
そろそろお正月料理の準備をはじめる時期になりました。お正月は各地でまったく違う料理が食卓に並びます。郷土色が強い料理が多いので、親戚の家を訪れたときに感動することもありますね。北海道に親戚のいる方は、ぜひ、茶碗蒸しをリクエストしてみてください。きっと、茶碗蒸しの底のほうに、栗のかんろ煮がゴロンと入ったものが出てくることでしょう。