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tenki.jpのTwitterアカウント(@tenkijp)から280万のフォロワーに気象情報を届けたり、新聞に掲載される天気図を修正したりした醍醐さんと森さん。でも、気象予報士の仕事はまだまだ奥深いんです、と日本気象協会の中にある動画撮影用のスタジオにも来てもらいました。ここは「クロマキー」と呼ばれる合成技術を使って、天気図の前にお天気キャスターが立っているような映像を制作できるスタジオ。ブルーの背景の前に立つと人物の映像だけが抜き出される仕掛けです。
「あ、これはテレビでよくやってますよね!」とすぐに気付く2人。案内役の奈良岡希実子(ならおかきみこ)さんが、システムを説明します。「では、お2人にもやっていただきましょう」という振りに応え、ブルーバックの前に立つ醍醐さんと森さん。前に置かれたモニターには、天気図と合成された2人の映像が映っています。
「あ、すごい。背景がなくなって天気図が出てますよ」とやや興奮したように森さんが声を上げます。醍醐さんはてるてる坊主のイラストが付いた指し棒を持って、天気予報の読み原稿を練習。カメラの上に「プロンプター」というモニターが置かれ、そこに原稿が表示されているのです。
「それではどうぞ!」との合図で、天気予報コーナーがスタート。
「気象情報です」「東京都心、今は明るい曇り空ですね」「ただ、お出かけには雨具があると安心です」……と、掛け合いで天気図の解説や天気予報を伝えていきます。まるで初々しい若手キャスターのような2人でした。
テレビでよく見るクロマキーの天気予報の次は、別の部屋に設置されたタッチパネルを体験してもらいました。これは、60インチの大型モニターをお天気棒でタッチすると(もちろん、人の手でも)、映し出された日本地図の上に気象情報のアイコンが現れるというもの。
「うん、これもテレビで見ますよ」と醍醐さんが言い、森さんも試しにタッチしてみます。置いてみたいアイコンをタップしてから地図の上をタッチ。「あ、出た!」と日本上空に出現したいろいろなアイコンに歓声を上げます。
「じゃあここでも気象情報の解説をしてもらいましょう」と奈良岡さん。2人はモニター左右に立ち、先ほど読み上げた天気予報をもう一度。やはり慣れない仕事に緊張したのか、何度か言い直す場面も。奈良岡さんのお手本を参考にして、ようやくOKが出ました。
「いやぁ、お芝居のセリフより大変ですよ」と醍醐さん。森さんも「難しいです」。でも、お天気棒を持って気象アイコンを出したり動かしたりの動作は、とてもさまになっていましたよ。文字通り、天気の仕事に「触れた」わけですね。将来、気象キャスターの役が来たら完璧にこなせるんじゃないでしょうか。
天気予報の精度やエリアの細分化、予報を発表する頻度などは年々向上しています。実際の気象情報を発信する現場やシステムに触れて、2人からは感心する声がしきりに聞こえてきました。「天気の子」での声優体験が、気象情報への興味につながってくれればいいなと思います。
ところで、感心する声を上げていたのは最先端のシステムの他、ちょっとした遊び心に対してもでした。タッチパネルの前に来たとたん、森さんが「あ、これかわいい!」とすぐ気付いたのは、映画の登場キャラクターをデフォルメしたアイコン。「これ、陽菜(ひな)ちゃんですね。あ、これは帆高(ほだか)くん」と自分たちが演じたキャラクターを発見しました。タッチパネル左に並んだ陽菜ちゃんアイコンをお天気棒でタップしてから、地図の上をタップ。可愛いキャラクターが、ポンッとモニター上に現れます。他のキャラクターもタップして、次々と登場させて遊んでいました。
テレビの気象情報コーナーで見かけるタッチパネルにも、こんな遊び心を盛り込むことができるんですね。これを機に、いろいろ応用されていくかもしれません。