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さて星々の動きも初夏モードになり、少しずつ変化しています。夏の夜空を象徴するものといえば、「夏の大三角」でしょう。「夏の大三角」は小学校で習ったことがあるとはいえ、記憶もおぼろげな方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、夏の夜空を彩る「夏の大三角」をメインにご紹介しましょう。
東の空にひときわ輝く星を頂点にして、横長の大きな三角形をつくっている「夏の大三角」。3つの星で結ばれた夏の大三角は、天体に親しくなくても、比較的簡単に見つけることができます。
まず、三角形の頂点部分に青白く輝いているのが、こと座・ベガ。
この星のなかで一番明るく、最も見つけやすい星です。そして、ベガから右下にぐっと下がっていくとわし座・アルタイルがあります。ベガは0.0等級、アルタイルは0.8等級なので、アルタイルのほうが輝きは少し弱いですね。
さらにベガの左下にははくちょう座・デネブが光っています。デネブは1.3等級でこのなかでは、一番暗く見えています。
夜空を見上げたときには、まずベガを探してみましょう。時間的にも見ごろである21時ごろだと、6月から7月ごろは東の空に見られますが、8月から9月ごろになるとほぼ頭の真上に見られるようになります。
また、ベガとアルタイルの間には天の川も横たわっているので、そちらも観測してみてはいかがでしょう。
さて、天の川といえば、やはり七夕伝説を思い出しますよね。
そう、こと座・ベガは、別名織姫星と言われており、わし座・アルタイルは彦星と言われています。
日本、中国に伝わる有名な 七夕伝説 。それは……
昔々、織姫という裁縫や機織りの上手で働き者の娘がいました。一生懸命働く娘のために天帝は、真面目な牛飼いの青年、彦星を引き合わせます。二人はすぐに恋に落ちて結婚しますが、すっかり遊び暮らすようになってしまいました。怒った天帝は、織姫と彦星を離ればなれにしてしまいました。悲しみに暮れる二人は泣いてばかりいます。この様子を知った天帝は、真面目に仕事をするなら年に一度だけ天の川を渡ってお互いに合うことを許したのです。
織姫と彦星は実際には14.4光年も離れており、物語のように会うことできないめぐり合わせですが、現在は夏の大三角として、私たちを楽しませてくれているのです。
では最後に、6月の天体についてご紹介しましょう。
大きなイベントとしては、夏至があります。ことし2019年は、6月22日が夏至になります。
「夏至」とは、一年で最も昼が長くて、夜が短い日です。月の満ち欠けを周期にした太陰暦では一年を二十四等分して(二十四節気といいます)、季節の変わり目を表しました。夏至は二十四節気のひとつ。春から順番に春分、夏至、秋分、冬至と一年はめぐっていきます。
ちなみに春夏秋冬のサークルで夏至の反対側にある冬至は、一年で最も昼が短く、夜が長い日。夏至と冬至では、昼の時間が約4時間から5時間弱も違います。
夏至は太陽のエネルギーがあふれる日なので、ぜひ、その恩恵を感じてみてはいかが。