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今回は、初午の歴史や逸話についてご紹介します。
初午祭は、五穀豊穣、商売繁盛、家内安全などを祈念するお祭りです。新暦を基準として2月に開催されるか、旧暦を基準として3月に開催されるかは、地域によって様々。
もともと日本では、午が農耕に必要不可欠な動物であったことや、太陽の通り道である南を表す動物であったなどの理由から、午は縁起の良い動物とされてきました。そのため、午の日に神社を参拝することはとてもご利益があるとされていたんだそうです。
今昔物語や枕草子には、初午の日に稲荷神社を参拝する人々の姿が描かれています。初午の日にお参りをするという風習は、そんな昔から既に始まっていたんですね。
現在では初午だけではなく、初午から12日後と24日後の「二の午」「三の午」と呼ばれる午の日に行事を行う神社もあります。初午を逃した方は、二の午か三の午に稲荷神社へ赴いてみるのもいいかもしれませんね。
古来から初午はとても縁起の良い日とされてきましたが、今のように大きな祭事となったきっかけは伏見稲荷大社の創建でした。一説によると、伏見稲荷大社の祭神であるウカノミタマが馬に乗って降臨したのが初午の日だったと言われています。なかなか耳にしない名前の神様かと思いますが、実はウカノミタマはみなさんもご存知のお稲荷様のことなんです。ウカノミタマの「ウカ」は「倉稲」と書き、五穀豊穣を司る神とされています。
もともとは五穀豊穣のご利益があるとされていたお稲荷様ですが、江戸時代に入って商業が盛んになると、商売繁盛の神様としても人気を博します。すると、江戸の町には稲荷神社がたくさん建てられるようになります。そんな街の様子を表した「江戸名物、伊勢屋、稲荷に犬の糞」、なんて言葉が流行るほどたったんだとか・・・。
他にもお稲荷様には、病気平癒や家内安全、交通安全など様々なご利益があります。さすが大人気の神様といったところでしょうか。これでは神様も大忙しですね。
お稲荷様のお供え物といえば、やっぱりいなり寿司ですよね。これは、お稲荷様の使いである狐が油揚げを好むことに由来しています。(実際のキツネは雑食性のため、油揚げを好んで食べるというわけではないようですが・・・)「願い事の数だけ食べると良い」、「いなりの三文字に倣って、命(い)、名(な)を成す、利益(り)をあげるとして、3つのいなり寿司を食べると良い」など、地域や風習によって食べ方は様々。願い事の数ともなると「そんなに食べられない!」という方もいるかもしれませんね。
ちなみに2月11日の今日は「初午いなりの日」。初午いなりの日は、1年で最も運気が高まる初午の日にいなり寿司を食べて1年の幸せを願う日として、全日本いなり寿司協会によって制定されました。初午はその年によって日にちが変わりますが、初午いなりの日は毎年2月11日と決められています。
旧暦を基準とした初午は、3月10日。2月の初午を逃した方は、3月10日にいなり寿司を食べてみてはいかがでしょうか。もしかしたら今年1年良い年になるかもしれませんね。