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その年の仕事の最終日にあたる日は、「御用納め」や「仕事納め」といわれますが、どのような違いや意味があるのでしょうか。年の瀬に一年間を振り返りながら、一考してみましょう。
江戸時代、幕府や宮中の公務は「御用」といわれていました。この慣習は、明治維新後にも新政府の法令に引き継がれます。その流れから現在でも、一年の仕事をすべて終える日は「御用納め」と呼ばれています。
「御用納め」は「官庁御用納め」ともいわれ、正式には国と地方公共団体の役所である官公庁に対して使われる言葉。民間企業の場合は「仕事納め」というのが一般的です。
では、なぜ今日12月28日が御用納めなのでしょうか。1988(昭和63)年に制定された「行政機関の休日に関する法律」により、日本の官公庁では12月29日から1月3日までが休日とされています。この期間は、「行政機関の執務は、原則として行わないものとする」と明記されているのです。そのため、前日が「御用納め」となっているのですね。
この日に準じて、民間企業でも12月28日を「仕事納め」とするところが多くなっているようですが、年末が繁忙期となる企業は29日などにずらしている場合もあります。
地方公共団体は、「地方自治法」により休日を条例で独自に定めるものとされており、必ずしも12月29日から1月3日が休日ではないようですよ。
今日が「御用納め」「仕事納め」のみなさま、一年間お仕事お疲れさまでした!あなたにとって今年はどのような年でしたか。
最後に、「仕事納め~年の暮れ」を詠んだ俳句をご紹介します。
兎も角も御用納に漕ぎつけし 松山一雪
月まぶし忘年会を脱れ出て 相馬遷子
死にかけしこともありしが年忘れ 正岡子規
膝抱きて荒野に似たる年忘れ 山田みづえ
音楽に涙湧きたり年惜しむ 沢木欣一
年惜しむ程のよきことなかりけり 松崎鉄之介
日のもとの人の多さよ年の暮れ 才麿
いかがでしたか?今の気持ちに当てはまるような句はありましたか。慌ただしく過ぎていく年の暮れですが、ふと客観的に自分やまわりを眺めてみる、そんな時間を大切に過ごしたい時でもありますね。