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とはいえ、夏の暑さによる疲れが抜けなかったり、秋特有の長雨に体調を崩している方も多いようです。そんな季節の変わり目だからこそ、疲れを残さず仕事やレジャーに臨みたいもの。家でも簡単にできる疲れ解消法といえば「入浴」もそのひとつでしょう。いつもの入浴法に少し工夫することで、体の疲れの抜け方が違ってくるはず。そこで今回は、季節の変わり目だからこそ知りたい「疲れを改善する入浴法」をご紹介します。
ゆっくりでないと体を沈められないほどの熱めの湯温でないとお風呂に入った気がしない人や、ぬるめの湯温でじっくり芯から温めたい人など、湯温の好みは人それぞれです。
ただし、心身ともに休息し、疲れを改善したいときは「ぬるめ」がオススメです。
「ぬるめ」の目安は38℃~40℃。これくらいの湯温の湯船にゆったり浸かると、脳内の「副交感神経」の働きが高まります。「副交感神経」が活発に働き出すと精神の緊張がほぐれ、体全体がリラックスするため、自然とこわばりがちだった筋肉もゆるむことに。さらに、疲れ改善だけでなく不眠症やストレス解消にも効果があるとされています。
一方、42℃以上の熱いお湯に浸かるとどうなるのでしょうか?
温度が高めの場合は、逆に「交感神経」の働きが活発になります。リラックス効果を発揮する副交感神経に対して、交感神経は血のめぐりをよくする働きがあるため、リラックスするというよりは、脳や体を覚醒させる効果があるとされています。
夏から秋、秋から冬へ。こんな季節の変わり目にオススメしたいのが「菊湯」です。秋の花の代名詞でもある菊ですが、その菊とお風呂にはどのような関係と効果があるのでしょうか?
菊は疲れを癒やすのに効果的といわれる花なのですが、そう言われるゆえんは菊に含まれる「カンフェン」という精油成分によります。このカンフェンは血行促進、老廃物の代謝を活発にする効果があるといわれ、夏の疲れを解消するなら秋の「菊湯」がよい!といわれているのです。
さらに、このような菊の効果は平安時代から知られていて、菊には邪気払いや長寿の効能があるとされていたことから、当時の貴族の間では菊湯が流行っていたというのです。また、重陽の節に行う宮中行事では、菊の花をかぶせた真綿で体をこすりながら健康を祈ったともいわれていますし、菊を浸したお酒を飲んで邪気を払う風習もあったようです。そのような流れから、菊湯が今に伝わっているのですね。
先ほど疲れを取るならぬるめのお湯がよいとご紹介しましたが、全身浴か、または半身浴かも、入浴法の大事なポイントとなります。全身浴なら10~15分ほど、半身浴なら20~30分ほどを目安に、ゆっくりゆったり浸かるのがオススメです。
何よりバスルームは、ひとりきりになれる貴重な空間ですよね。そんな貴重な空間だからこそ、入浴時は誰に遠慮せず、自分のペースを保って心も体もリラックスしたいもの。
そこでバスルームの空間づくりにひと工夫してみませんか。
リラックス空間にするために、照明を調光したり、好きな色の花を浮かべたり、あるいは照明を消してアロマキャンドルで小さな炎が静かに揺れる様子を眺めてみたり……と、ちょっとした工夫でいつもの慌ただいバスタイムが、別空間に変貌するはず。雨が降った日に自宅でのんびり過ごす休日や、平日の時間のある夜間にそんな空間でのんびりすれば、きっと疲れも吹き飛ぶことでしょう。
―― 心身ともにリラックスし、夏の疲れを解消する非日常のバスタイム。
もちろん長すぎる入浴はオススメしませんが、最近は湯船に浸かりながらの読書や、モバイルを持ち込んでゲームや動画を鑑賞する人も増えているようです。そんな人は湯温に注意しながら、ぜひ水分補給も忘れないでくださいね!