- 週間ランキング
秋といえば、サツマイモですね。幼稚園や小学校では、芋の収穫祭や芋ほり遠足を行うところも多いのではないでしょうか。みんな大好きなサツマイモ。食べると便通がよくなるイメージがありますが、それ以外にどんな効能があるのか、調べてみました。
サツマイモは、1700年代はじめに薩摩藩で栽培が始まったと言われています。全国に広めたのが青木昆陽という儒学者です。やせた土地でも育つため、飢饉の際に多くの人々を救いました。それでは、一体、サツマイモにはどんな栄養があるのでしょう。
主成分はでんぷんで、加熱すると一部が糖質に変わります。しかし、カロリーは米や小麦の3分の1程度と低く、女性にうれしい食べ物です。
ビタミンCが豊富
風邪の予防や疲労回復、シミ・そばかす予防などの効果に期待が持てます。サツマイモに含有するビタミンCはでんぷんに守られており、加熱しても壊れにくいと言われています。
ビタミンEが豊富
体内でできる過酸化脂質の生成を抑え、老化予防に期待が持てます。ビタミンEは、ビタミンCと一緒に摂取することで、より高い効果を発揮できるため、ビタミンCとビタミンEが多く含まれるサツマイモはすぐれた抗酸化食品と言えます。
食物繊維とヤラピンが豊富
生のサツマイモを切ると断面から白いミルク状の液がしみ出ることにお気づきでしょうか? これは「ヤラピン」という成分で、緩下剤(効果が緩やかな下剤)としての効果があるとされています。また、サツマイモは、不溶性の食物繊維と水溶性の食物繊維のバランスが非常によい野菜で、便秘の改善や予防に期待が持てます。
カリウムが豊富
体内のナトリウムの排泄を促すカリウムは、体内の余分な水分を排出するため、むくみの解消に期待が持てます。また、血圧を下げる効果も高いと考えられており、高血圧予防にも期待が持てます。蒸したサツマイモは1日のカリウム摂取目標量を得られる手軽なカリウム源です。
姿かたちはどれも似ているサツマイモですが、いろいろな種類が存在します。代表的な品種をご紹介しましょう。
【ホクホク系】
紅あずま
関東で人気の品種。果肉は黄色く粉質で、ホクホクとネットリの中間タイプのサツマイモです。
高系14号
西日本で多く生産される品種。果肉は赤みが強く、粉質。糖度が高く、加熱すると黄色くホクホクした仕上がりになります。
鳴門金時
柔らかい甘みとホクホクした粉質の肉質が持ち味。焼き芋のほか、天ぷらもおすすめです。
【ネットリ系】
紅はるか
果肉は黄白色で、加熱するとネットリした食感に仕上がります。非常に甘く焼き芋にぴったりの品種です。
シルクスイート
2012年に販売開始した新品種。十分に貯蔵されたものは水分が多く、焼き芋にすると絹のようにしっとり滑らかな仕上がりになります。
【オレンジ系】
安納芋
種子島の特産品。水分が多く粘質性で、加熱するとネットリした食感に仕上がります。じっくり時間をかけて焼くと甘さが増します。焼き芋にぴったりの人気種です。
紫芋
紫芋の色素に含まれるアントシアニンの効果に注目が集まっています。アントシアニンは、ポリフェノールの一種。活性酸素を抑える抗酸化物質を多く含み、生活習慣病や老化予防に期待が持てます。視力や肝機能の向上にも期待が寄せられています。
甘みが少ないとされる紫芋ですが、「パープルスイートロード」という品種は、甘みがあり、人気です。甘さ控え目の紫芋は、ソフトクリームや芋チップスにおすすめです。
サツマイモは、加熱によってデンプン質が麦芽糖に変化することで甘く感じるようになります。甘みを引き出すポイントは、強火で焼かず、時間をかけてじっくりと焼くこと。目安は160~180℃でじっくり90分程度かけることです。残念ながら電子レンジだと、一気に加熱されるため、甘味をあまり引き出すことができません。
オーブントースターで焼く場合は、芋をアルミホイルで包み、10~15分ごとに転がすようにして、焦がさないように注意しましょう。焼き上がりまでは、70~90分かけるとおいしい焼き芋に仕上がります。
―― ご紹介したのはごく一部の品種です。ホクホク系を食べたいなら、紅あずま・高系14号。ネットリ系なら、安納芋がおすすめです。スーパーなどで見かけたら、品種にこだわって選んでみてください。