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なんとなく体がだるい、よく眠れないといった病院に行くほどでもない不調……。そうした不定愁訴に悩む方に注目してほしいのが、「気血水(きけつすい)」という東洋医学の考え方です。今回は、身体を健康な状態で維持するための「気血水」についてご紹介します。疲れが蓄積しやすい夏の終わり……あなたの健康状態はどのような感じですか?
東洋医学には、体を構成する要素として「気血水」という考え方があります。
気は、エネルギーのこと。生命活動の原動力となるものを指します。
血は、血液とその中に含まれる栄養素のことを指します。
水は、血液以外の体液。リンパ液や汗、鼻水なども含まれます。
私たちの体内では、それぞれが重要な役割を果たしており、それらのバランスが崩れることで不調が生じると考えられています。
気血水のバランスが崩れるとどんな症状がでるのか、タイプ別にご説明していきましょう。
気虚(ききょ)タイプ……気が不足している状態
〈気虚の症状〉
疲労感や息切れ。下痢や胃もたれ、頻尿など。
〈気虚の改善方法〉
穀類やイモ類、豆類など、「気」を補う食材を使った料理をゆっくり食べて、最低8時間は眠ることを心がけましょう。ウォーキングや適度な運動を毎日行うことで肺の機能を高め、体内の「気」を増やすことも大切です。
気滞(きたい)タイプ……気が滞っている状態
〈気滞の症状〉
不眠や不安、うつ、イライラ。偏頭痛。下痢と便秘が交互に起こる。生理不順、生理前の乳房や腹部の張り。吹き出物などが出やすい、など。
〈気滞の改善方法〉
「気」のめぐりが悪くなる一番の要因はストレスです。どんなに忙しくても、心のゆとりを忘れず時間を作って気分転換を心がけましょう。適度な運動で汗を流すのもおすすめです。
血虚(けっきょ)タイプ……血が不足している状態
〈血虚の症状〉
顔色がすぐれない。めまい、立ちくらみ。抜け毛、白髪。疲れ目、肌荒れなど。
〈血虚の改善方法〉
血や肉になるほうれん草やにんじん、赤身肉、レバー、鳥肉などを積極的に摂取するようにしましょう。血虚状態が長く続くと心臓も弱くなるので、激しい運動は避け、散歩や軽い運動を行って体調を整えましょう。無理なダイエットや偏食などは、血虚に結びつきます。
瘀血(おけつ)タイプ……血のめぐりが悪い状態
〈瘀血の症状〉
顔色や唇の色が悪い。慢性の肩こりや頭痛、ひどい生理痛。しみやそばかす。不整脈や息苦しさ、など。
〈瘀血の改善方法〉
黒酢や粉山椒など、血行を促進する調味料を料理に積極的に使ってみましょう。また、納豆や味噌などの発酵食品もおすすめです。血行改善には適度な運動も効果的。なるべくシャワーではなく湯船につかることで体を温めましょう。
陰虚(いんきょ)タイプ……水分が不足している状態
〈陰虚の症状〉
肌のかさつき。のぼせやほてり。目の乾き。口や喉の渇き。耳鳴り、便秘など。
〈陰虚の改善方法〉
東洋医学では、夜は「陰」が支配する時間帯と考えられています。まずは深夜12時までに就寝することを心がけましょう。陰虚には、酸味と甘味を補うとよいとされています。おすすめの食材はトマト、スイカ、メロンなど。山芋やオクラなど、ネバネバトロトロした食材もおすすめです。
痰湿(たんしつ)タイプ……水のめぐりが悪い状態
〈痰湿の症状〉
脂性肌や吹き出物。肥満、水太り。血中コレステロール値・中性脂肪値・体脂肪率が高い、など。
〈痰湿の改善方法〉
体に溜まった余分な水分や老廃物を追い出すことが必要です。運動で汗をかくなどして、水分を積極的に排出しましょう。また、あさり、しじみ、はと麦、冬瓜など、利尿作用のある食材を摂るとよいでしょう。玄米や雑穀、こんにゃく、ごぼう、海藻など、食物繊維の多い食材で胃腸の働きを整えましょう。
── インターネット上には、「気血水バランスチェック」ができるサイトもたくさんあります。気になる方はチェックしてみては。夏バテに限らず季節を問わず健やかな体調でいられるよう、日頃から健康管理に努めてくださいね。