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開催時期は過ぎてしまいましが、7月は「ほおずき市」の季節です。ほおずき市といえば浅草寺のものが有名ですが、当初ほおずきは売られていませんでした。もともとほおずき市が行われる日は「四万六千日(しまんろくせんにち)」と呼ばれ、この日に参詣すると4万6000日参詣したのと同じ功徳があるという言い伝えがあります。
四万六千日でほおずき市が立つようになったのは、愛宕神社がきっかけとなっています。愛宕神社の四万六千日では、厄除けや薬草としてほおずきが売られていました。特に御利益が多い四万六千日の日のお土産として、縁起ものであるほおずきは好評だったようです。これをきっかけに、他の四万六千日でもほおずきが売られるようになったのです。
現在行われているほおずき市には、こういった由来があったのですね。
ほおずきと日本人の関わりは長く、日本最古の歴史書である古事記には、ヤマタノオロチの目の赤さをほおずきに喩えた描写があります。
古くからほおずきは、薬草として利用されており、平安時代には鎮静剤として使用されていました。そして江戸時代には、ほおずきを水で丸飲みすると、大人は持病が、子どもは腹痛が治る、と言い伝えられていたようです。さらにほおずきは夏負けの厄除けとも言われていました。ほおずきは漢字で書くと「鬼灯」となり、ちょっと怖い感じがしますが、昔から縁起物として捉えられていたのですね。
ちなみに「鬼灯」という書き方は、赤く怪しげな提灯を連想させることからつけられたと言われています。お盆になると仏壇にほおずきを飾るのは、帰ってくるご先祖様が迷わないように提灯を飾るという意味合いがあるのだそうです。
薬草、厄除け、はたまた提灯…。ほおずきにはいろんな言い伝えがあったのですね。
ほおずきには食用とそうでないものがあります。7月に開催されるほおずき市で売られているものは主に観賞用で、私たちがよく目にするものは観賞用のほおずきです。それでは、食用のほおずきってどんなものなんでしょうか。
食用ほおずきは独特な甘酸っぱさから、アメリカではサマーチェリー、ゴールデンベリーなどと呼ばれているそうです。最近は各地で食用ほおずきの栽培が始まっており、サラダやジャム、ケーキ、ドライフルーツなど、様々な料理に使われているのを目にするようになりました。
食用ほおずきの旬は8月から10月になっているので、「まだ食べたことがない」という方は、今年の秋にぜひ食べてみてくださいね!
(観賞用のほおずきには毒性があるため、間違えて食べてしまわないように気を付けましょう。)
<参考・参照>
HORTI
浅草寺
JA長野県
おうちで楽しむ 季節の行事と日本のしきたり:新谷 尚紀 (監修), 2014, マイナビ
食べて効く!飲んで効く!食べる薬草・山野草早わかり主婦の友社 (編集), 2016, 主婦の友社