一人ぼっちの「ドミンガ」

ドミンガは元々、動物園で暮らすメガネグマでした。
おそらく14歳前後と思われる彼女には、たてがみのように残る一筋以外、ほとん毛がありません。

本来ならばその名の通り、メガネをかけているかのように顔を彩り、体を包んでいるはずの被毛。
彼女はなぜ、毛を失ってしまったのでしょうか?
一体、動物園で何があったのでしょうか?

ドミンガの悲しい過去

まず、ドミンガがなぜ動物園にやって来たのか。
彼女の子供時代に遡ってみましょう。

ドミンガは子供の頃、ペルーのアマゾン熱帯雨林から、彼女の母親を殺した商人によって姉と共に連れ去られました。
彼女たちをペットとして、またはエンターテイメント業界に売り飛ばそうとした商人。
しかし、すんでの所でドミンガたちは救われたのでした。

救われたとは言うものの、まだ子供のドミンガたちは野生に戻っても生き抜くことはできません。
そこで、アンデス山の動物園が彼女たちを引き取ることを申し出たのでした。
出典:https://www.thedodo.com/dominga-spectacled-bear-2295381022.html

人間の醜い欲望のために、たった一人の母親を殺された幼いドミンガ姉妹。
突然優しい母を失った彼女たちの絶望は、いかほどのものだったでしょうか。

商人の手から救い出されても、失った母と平和な暮らしは戻りません。
もはやドミンガ姉妹には、人の世界で生きていくより他に、道は残されていなかったのです。

見知らぬ動物園へ

善意から、ドミンガ姉妹を引き取った動物園。
彼らも決して、彼女たちを冷遇したわけではありませんでした。
しかし、彼らの「精一杯」は、彼女たちを幸せにはできなかったのです。

ペルーには、ドミンガ姉妹のように捕らえられた動物の身を置く所がなく、彼女たちは山の小さな動物園で暮らすこととなりました。
この「山」の「狭い場所」は、ドミンガ姉妹の暮らしていた自然な環境とは全く違っていました。
動物園では、草木や洞穴などもありましたが、何もない場所も多かったのです。
ドミンガのような動物のためには、もっと興味を引くものがたくさんある環境が必要でした。
出典:https://www.thedodo.com/dominga-spectacled-bear-2295381022.html

住む場所は得たけれど、本来暮らしていた場所とは程遠い、しっくりと馴染めない場所。
それでも、ドミンガには心強い姉がいました。
生まれた時から傍にあった片割れの存在は、きっとドミンガにとっても姉にとっても、とても大きなものであったに違いありません。

しかし、ある事故を引っ掛けに、ドミンガは一人ぼっちになってしまうのです。

失った片割れ

四年前ドミンガの姉は、ひどい事故にあい、その時の傷が原因で死んでしまったのです。
出典:https://www.thedodo.com/dominga-spectacled-bear-2295381022.html

共に生まれ育ち苦楽を共にしてきた、たった一人の仲間を失ったドミンガ。
心の支えと呼べるその存在を失ったことに、非常に強いショックを受けたことは、想像に難くありません。

親も故郷もなくしたドミンガが唯一持っていた絆。
それを失った時から、ドミンガは一気に元気を失い、毛が抜けていってしまったのです。


type="adsense"
data-ad-client="ca-pub-1493050849235845"
data-ad-slot="1254475616">

希望を失ったドミンガは変わり果てた姿に…

 
情報提供元: mofmo
記事名:「 親を殺されさらわれた…。体毛を失いやせ衰えたメガネグマが生きる希望を取り戻すまでの軌跡