はじめに
奄美の海は、色が違う、地形が違う! パッキリした水色と青の海を目にしたら、まず目を疑うでしょう「あれ、ここ日本じゃないよね?」。続いてぐるりを見渡せば、感動はさらに深まるはずです、他にない複雑でかっこいい地形に! そんな奄美ならではの魅力を存分に感じられる、お気に入りの5スポットをご紹介いたします。
Text&Photo:とまこ
ニョキニョキ岩に、潮溜まりに、緑の丘に。表情豊かなあやまる岬
あやまる岬の海は、とにかく表情が豊か! たくさんの岩がニョキニョキと浅瀬に立ち並んでいたり、自然のプールのような潮溜まりがあったり、向こうのリーフエッジ辺りで白波がリズムを刻んでいたり、ビーチが緑豊かな丘を背負っていたり……ぐるりを見渡すといろんなワクワク要素が目に飛び込んできて忙しいほど。
場所は空港からほど近く、車で10分弱北上したところです。まずは岬の上の展望台を目指してください。ババーンと開けたパノラマの絶景に、心がスーッとするのを実感するでしょう。
続いて車でビーチ近くの駐車場まで降りてください。さっき展望台の上から見下ろした絶景の中に飛び込む時です。公共のシャワーやトイレなどもあるので、思うままに、じゃんじゃん遊んでくださいね。 ◆あやまる岬
所在地:鹿児島県奄美市笠利町大字須野
繊細な白砂ビーチと文句なしの水色の海。とにかく美しい土盛海岸
土盛海岸はとにかく美しい! 広々したビーチの砂は、白くて繊細で、とっても柔らかいんです。そこに押し寄せる海は、びっくりするほど水色で、大量の入浴剤でも入れたかのよう。もうここが日本だなんて到底信じられない気分になります。
ここはあやまる岬よりもさらに空港に近く、時々飛行機が通って行きます。夢みたいにステキなビーチで、人々をたくさん乗せた飛行機を見上げているのも、旅気分が盛り上がっていいものです。
◆土盛海岸
所在地:鹿児島県奄美市笠利町大字宇宿2127
時間限定で見られるのも魅力的。かわいすぎてハッピー気分になるハートロック
奄美大島の有名スポット「ハートロック」はこちらです。岩にハートの穴が空いているでしょう、こんなのが青くてきれいな海にあるなんて反則ですね! しかもこの岩は干潮の時にしか顔を出さないんです。海に隠れたり、波間に顔を出したり、なんてロマンチックなスポットでしょう。
干潮の時間は毎日変わるので、奄美の潮見表をウェブで検索して確認してください。おすすめは、朝に干潮が重なる時。昼間だと観光客も多めだけれど、早めの朝なら独り占めできちゃうかもしれません。人が少ないということは、砂浜の足跡も少なめということ。これもちょっと嬉しいポイントですね。
ちなみにここは南向きで、冬場なら日の出を拝むことができるんです。朝日を浴びるハートロックだなんて、気分はぐんと高まりますね。
場所は空港から15分弱ほど南下した龍郷町にあります。
◆ハートロック
所在地:鹿児島県大島郡龍郷町赤尾木
まん丸石がゴロゴロと。不思議な地形と雰囲気に惹かれるホノホシ海岸
ホノホシ海岸はとっても独特! 岩がちで突飛な地形をした海岸は狭く、そこには白っぽく丸い石が一面にゴロゴロと転がっています。しかも石の大きさは、ゴルフボールからテニスボールサイズくらいと、存在感のあるものばかり。なんとも不思議で圧巻の光景です。
ちなみに、写真真ん中に見える大きなプールのようなところは、海老の養殖場です。
石が丸いのは、周辺の荒い海に揉まれたからとのこと。ずいぶん荒々しく激しい海なんだろうなぁと、海の向こうに思いが及びます。
ここの石はお持ち帰り厳禁ですよ! 土地の霊的な何かが宿っているともっぱらの噂なので、そっとしておいてくださいね。
ここへのアクセスの起点は南の中心地・古仁屋になります。そこから車で15分弱くらいのスポットで、山道も通りますが、その道がまたいいんです。海に面した見晴らしのいいスポットも通るので、寄り道しながらドライブを楽しんでください。
◆ホノホシ海岸
所在地:鹿児島県大島郡瀬戸内町蘇刈
奥地に秘められた桃源郷?! リアス式の凸凹な島影が美しい白浜海水浴場
白浜海水浴場は、人の気配がぜんっぜんなくて最高! そもそも、古仁屋を出てから20分ほどの間すれ違う車などほとんどありませんでした。奥地に秘められた桃源郷を目指す感じも最高なんです。
それだけ人のいない自然放置型の海ですから、当然文句なしで美しい! ぐるりを見渡せばリアス式の凸凹地形、多くの半島や島が重なって見え、南国の強い日差しがキラキラと水面に反射しながら複雑に影を落とし……印象に残る項目が多すぎて、きっといい思い出になると思います。
ちなみに写真は白浜海水浴場から右奥に広がる風景です。海に絵が描かれてるみたい! これはマグロの養殖場なんですって。
◆白浜海水浴場
所在地:鹿児島県大島郡瀬戸内町阿室釜
おわりに
奄美の海の魅力ポイントは、まずはもちろんきれいさ! そして地形の複雑さ。他の南国とはひと味違った面白さが詰まっていて魅力的でしょ。ぜひ、奄美ならではの海を体感しに訪れてください。
◆とまこ
明治大学在学中からバックパッカーとしてデビューし、卒業後は秘境ツアーコンダクターに。現在は旅作家&おしゃれパッカーとして本の執筆や講演、TV出演など多方面で活躍中。著書に『離婚して、インド」(幻冬舎文庫)、『世界の国で美しくなる!」(幻冬舎)など既刊12冊。2017年9月20日には新刊『台湾で朝食を 日常よ、さようなら!』(メディアパル)発売。