はじめに
2月22日に全国で公開される“埼玉ディス”映画「翔んで埼玉」。劇中には埼玉のさまざまな地域が出てきますが、あまり聞いたことのない地名もちらほら……。実際どんなところなの? そもそも実在する地域なの? と思っている人も多いはず! 特に重要なエリアとして出てきた地域を、気になる “ディス”具合とともにご紹介します。
「翔んで埼玉」ってどんな映画?
「翔んで埼玉」は、埼玉出身者は通行手形がないと東京に行くことすら叶わない、埼玉人が都内のデパートやクラブにいると即刻追い出されるetc.という少々ぶっ飛んだ世界観の日本が舞台となっています。主演はGACKTと二階堂ふみ。二人とも高校生役で、二階堂ふみはさらに男性役という、配役も気になる作品です。原作は「パタリロ!」で有名な漫画家・魔夜峰央による同名漫画。30年以上前に描かれた未完の漫画ですが、映画では原作のその先もしっかりと描かれています。
ストーリーは「現代パート」と「伝説パート」に分かれていて、埼玉県に住む菅原一家が、娘・愛海(島崎遥香)の婚約者家族との顔合わせに向かう「現代パート」から物語は始まります。その道中、車のラジオから流れ始めた都市伝説を、メインである「伝説パート」として描いています。
「伝説パート」は、埼玉人が都民に迫害を受けている世界での物語です。東京にある超名門校・白鵬堂学院で、都会ヒエラルキーの頂点に君臨していた都知事の息子・壇ノ浦百美(二階堂ふみ)は、アメリカ帰りの転校生・麻実麗(GACKT)とひょんなことから仲良くなります。しかし、実は“隠れ埼玉人”で、通行手形制度廃止を目指す「埼玉解放戦線」のメンバーだった麗。正体がばれて追われる麗に、百美は地位を投げ捨ててついていきます。逃げる二人の前に埼玉の永遠のライバル「千葉解放戦線」が立ちはだかり、さらに神奈川や群馬を巻き込んで、壮大な戦いが始まります——。
注目地域① 移動手段は馬車⁈「所沢」
まずご紹介したいのが、主人公・麗の出身地である所沢。アメリカ帰りの帰国子女で、高い「都会指数」(どれだけ都会で生活しているかを表す指数)を持つ麗ですが、実は“隠れ埼玉人”。百美と遊びに出かけた先で埼玉人だとばれて「埼玉狩り」に遭ったことで、百美と二人で所沢を目指しての逃避行が始まります。作中では移動手段は馬車で、都会育ちの百美が「と、と、所沢!?」と言葉を詰まらせるほど田舎扱いされていた所沢ですが、実際はどんなところなのでしょうか?
所沢市は、埼玉県南西部に実在する、県内で4番目に人口の多い市です。西武新宿駅から所沢駅までは西武新宿線で約40分、池袋駅からは西武池袋線で約25分。都心から近く、作中での“ディス”られ具合ほど田舎ではないようです。むしろ、休日のお出かけにも最適な場所と言えるでしょう。
おでかけスポットとしては、所沢航空記念公園がおすすめ。実は所沢は日本で最初に飛行場が建設された場所で、その跡地が所沢航空記念公園なのです。敷地内にある「所沢航空発祥記念館」に展示されている日本最初の国産軍用機「会式一号機」は、一見の価値あり! ほかにも、運動場やドッグラン、季節のお菓子と美しい日本庭園を楽しめる茶室があります。豊富な自然とのどかさが「田舎」と“ディス”られる所以なのかもしれませんが、広い公園内をお散歩したりお茶をしたり、のんびりと一日を過ごすのにぴったりの場所ですよ。
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注目地域② 埼玉解放戦線の拠点「春日部」
続いてご紹介するのは、春日部。「埼玉解放戦線」の拠点として登場します。また、作中で百美は、「サイタマラリア」という熱病に感染してしまいますが、これは「小型春日部蚊」の媒介によるものです。そんな恐ろしい蚊の生息する場として描かれていますが、実際はどうなのでしょうか?
春日部市は、埼玉県東部に実在する市です。市内を通る東武伊勢崎線は、東京メトロ日比谷線や半蔵門線が乗り入れており、大手町駅から春日部駅まで乗り換えなしで行くことができます。ベッドタウンなので目立ったレジャー施設やお出かけスポットはありませんが、国民的アニメ「クレヨンしんちゃん」の舞台となっています。登場人物たちがのびのびと過ごす様子からも、その住みやすさがうかがえますね。
そんな春日部の、隣の宮代町にあるのが、東武動物公園。遊園地と動物園が併合したアミューズメントパークです。動物園では、ホワイトタイガーや8種類もの猿に会うことができます。日曜・祝日には動物とふれあえるパレードも実施。時期によって登場する動物は異なりますが、アルパカやゾウガメを間近に見ることができますよ! 遊園地には、世界初の水上木製コースター「レジーナ」をはじめとして、本格的なジェットコースターが4つ。ほかにも迷路や観覧車など、大人も子どもも楽しめるアトラクションが盛りだくさんです。都内から日帰りで行ける場所なので、ぜひ一度足を運んでみてくださいね。
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注目地域③ ほぼ群馬「熊谷」
最後にご紹介するのは、熊谷。現代パートの主役・菅原一家の住む街です。一家で娘・愛海の婚約者家族に会いに行くところから話は始まりますが、婚約者(成田凌)は、浦和在住で都内へ通勤する“埼玉都民”。東京に憧れる愛海は「熊谷に住む自分たちとは違う」と主張します。作中ではこのように、埼玉の中でも田舎扱いされている熊谷ですが、実際のところはどうなのか、見てみましょう。
熊谷は、埼玉県北部に位置し、群馬県太田市と隣接する市です。作中でも、「ほぼ群馬」などと“ディス”られる場面がありました。また、熊谷は夏になると猛暑のニュースで名前が挙がりがち。2018年には41.1度を記録し、国内最高気温を更新しました。反面、快晴日数が日本一の街でもあります。埼玉をこよなく愛し、ラジオから流れる都市伝説に感動して涙を流す菅原家の父(ブラザートム)の愉快で明るいキャラクターも、太陽の光をたくさん浴びて育ったから生まれた……のかも知れません。
そんな熊谷でぜひ体験してほしいのが、SLパレオエクスプレス。秩父鉄道秩父本線を走る蒸気機関車です。車窓からの眺めは見ごたえ抜群。自然が豊富なので、季節によって見られる景色が変わってきます。時期を変えて乗ってみるのも楽しいですよ。毎年3月下旬~12月上旬の土日を中心に運行していますが、2019年は冬季も運転しています。さらに乗車記念証などの特典もあるので、チェックしてみてくださいね。
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「翔んで埼玉」
2月22日(金)MOVIXさいたま、新宿バルト9ほか、全国公開
配給・宣伝:東映
(c)2019映画「翔んで埼玉」製作委員会
【キャスト】
二階堂ふみ GACKT
伊勢谷友介 ブラザートム 麻生久美子 島崎遥香 成田凌(友情出演) / 中尾彬 /
間宮祥太朗 加藤諒 益若つばさ 武田久美子 麿赤兒 竹中直人 京本政樹
【スタッフ】
監督:武内英樹
原作:魔夜峰央「このマンガがすごい!comics 翔んで埼玉」(宝島社)
脚本:徳永友一
音楽:Face 2 fAKE
主題歌:はなわ「埼玉県のうた」(ビクターエンタテインメント)
おわりに
埼玉人にもそうでない人にもおすすめの映画「翔んで埼玉」。作中では「何もない田舎」と“ディス”られている埼玉ですが、実は遊ぶところもたくさんあります。映画を楽しんだ後は、実際に足を運んでみてはいかがでしょうか?