はじめに
パンやコーヒーのクオリティの向上に加え、洋風スイーツのレベルアップがめざましい台湾のカフェ&ベーカリー界。そのひとつ「塔吉特Touched」は、台湾産の材料をふんだんに使ったミルフィーユ專門店です。近年急増中の冷凍宅配で取り寄せられ、好きなときに食べられるのはもちろん、解凍のさじ加減で、アイスクリームのような新食感を楽しめることでも人気です。
旅先で出合った、ひとつのケーキがブランドの原点。
時を遡ること十数年。とある街角、大きな掃き出し窓から陽光が差し込む部屋のテーブル上には、一杯のコーヒーと一切れのケーキ。旅行中だった男性は、その味わいに驚きました。口のなかに広がる香り高いケーキの記憶は忘れ難く、台湾に戻った彼が夢見たこととは……なんと、ケーキの製造機を取り寄せるため、旅先の日本に引き返すことでした。
試行錯誤の末に辿り着いた、黄金比によるミルフィーユ。
この物語の主人公は「豐喜食品」のCEOの廖憲平氏。思い出のケーキの味を再現すべく、2008年、ミルフィーユのブランド「塔吉特Touched」を立ち上げたところから、ブランドの歴史が始まります。
ミルフィーユの美味しさの決め手は、クレープの焼き上がり、そして何層にも重ねる際の餡との絶妙なバランス。そこで、日本からクレープ製造機を導入し、素材の配合を変えながら何千回ものテストを重ね、岩石プレートで焼き上げる、極薄のクレープを完成させました。創立以来「誠実、熱意、革新、衛生、安全」のモットーを守りながら“幸せのミルフィーユ”を届け続けています。
古典から創作まで……20種類もの多彩なフレーバー。
クレープ表面に出る斑模様は、プレート上で跳ね上がるように焼き上がった証であり、「塔吉特Touched」のクレープの魂でもあります。この透き通るほど薄いクレープの間に、こだわりの餡や台湾産のフレッシュフルーツなどをサンドしながら幾重にも重ねて仕上げるミルフィーユ。そのバリエーションは20種類にも及びます。クラシカルなクリームサンドから、フルーツやオレオといったボリューミーな素材をはさんだシリーズなど、迷うこと必至の品揃え。どれを選んでも間違いなし。特に季節のフルーツをはさんだ限定品は、はずせない一品といえるでしょう。
待望の新作は、栗が香るホールケーキ風のミルフィーユ。
新作の「秋香」は、ホールケーキを彷彿とさせるルックスで、これまでの商品とは一線を画す仕上がりです。表面をマロンペーストと生クリーム、そして金箔でデコレート。層の数も大きさも一新させた意欲作で、口に入れると栗の香りがふわっと広がり、後味は爽やかでさっぱり。有力紙『アップル・デイリー』の母の日ケーキ選で1位を獲得したことでも注目を集めています。
解凍時間で変わる食感を楽しむのが、通の食し方。
これらのミルフィーユは、冷凍状態でデリバリーされ、解凍時間によって異なる歯触りも魅力のひとつ。オススメは常温で10〜15分置いた状態で、わずかに凍った生地の食感は、まるでアイスクリームのよう。少し長めに20〜30分置いた場合は、ふわっとした生地とクリームの濃厚な食感が楽しめるので、その変化を楽しみながら、少しずつ、時間をかけていただくのが正解といえそう。
雲林の観光工場では、ミルフィーユのDIY体験が可能!
ネット販売から始まった「塔吉特Touched」は、7年連続でビジネスメディア『數位時代』の人気ネットショップ100に選ばれるだけあって、ネット販売が中心という印象ですが、実は台湾全土に12店のカウンターを構えています。また、台湾中部の雲林県には観光工場「塔吉特千層蛋糕大使館」があり、美味しさの秘密に触れられるほか、豊富なDIYコースが体験可能。ミルフィーユの魅力を多方面から伝える活動を行っています。雲林を訪れる機会があれば、DIYのスケジュールを要チェック!
おわりに
フレーバーの選択肢の多様さに加え、ギフトボックスも多彩。ギフトとしても最適な「塔吉特Touched」のミルフィーユ。とっておきの手みやげリストに、ぜひ加えておきたいお店です。
◆塔吉特Touched 千層蛋糕大使館
住所:雲林縣斗六市工業路118號
電話:+886-5-557-4516