中国で飛行機による国内旅行が、ほぼ平常レベルに戻っていることが明らかになった。8 月下旬に発表された旅行予約データが示したもので、コロナウイルスの世界的大流行のきっかけとなった国である中国にとって、重要な意味を持つと言えるだろう。
世界の旅行予約データを専門に扱う ForwardKeys によると、中国での航空便予約は 8 月の第 2 週に昨年の水準の約 98% に到達。国内の到着率は 86% だった。現時点の傾向から判断すると、中国の国内航空市場は 9 月初めまでには完全に回復する、と同社はみている。
ForwardKeys のインサイト部門副社長、オリビエ・ポンティ氏は声明で「世界の航空市場の主要部分がパンデミック以前のレベルに戻ったのは感染症の発生以降初めてのことであり、非常に重要な節目だ」と語っている。
中国での朗報とは対照的に、世界のほとんどの航空会社は長期に及ぶ苦痛に満ちた景気回復に向けて準備を進めている。多くの国では国内旅行が回復しつつあるものの、国際便の回復は旅行の制限や長期旅行の回避志向によって大きく遅れている。
業界団体のエアラインズ・フォー・アメリカによると、アメリカでは国内旅行が 44% 減少しており、米国議会が航空業界への支援を延長しない場合、航空会社は数万人を人員削減することになりそうだという。
中国がパンデミックを抑え込んだことは、航空事業と経済が比較的早く回復した要因となっている。ForwardKeys によると、新学期のスタートによって旅行数が増加したほか、航空券の価格が下落したことで空の旅に抵抗があった人々に対しても国内旅行の後押しをしたという。
中国では 2 月に底を打って以来、個人旅行者や団体旅行者の増加を受けて航空会社はゆっくりと事業を立て直している。加えて、政府が夏に北京での感染者の急増を抑えることができたことも功を奏した。
コロナウイルスの流行が始まって以来、中国本土では約1万5千人に1人が感染しているのに対し、米国では 56 人に1人の割合で感染している。米国当局が感染症拡大を制御できなかったことが、飛行機を使った旅行の回復の遅れにつながっている。
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