ホテルチェーン世界大手のマリオット・インターナショナル(Marriott International)は、同社が提供するロイヤルティプログラム「Marriott Bonvoy (マリオット ボンヴォイ)」会員による収益が過去9カ月間で 12% 増加したことを明らかにした。
Marriott Bonvoy は、従来の「マリオット リワード」、「ザ・リッツ・カールトン・リワード」、「スターウッド プリファード ゲスト(SPG)」に代わり、一つに統一した同社の新しいロイヤルティプログラム。
同社によると、第3四半期にオンライン直接予約が急増したと報告しており、アーン・ソレンソン最高経営責任者(CEO)は、「オンライン予約の急増はロイヤリティプログラムのブランドリニューアルが功を奏した」と述べた。
「顧客のオンライン予約が増えつつある。当社の直接予約は人気会員プログラムの Marriott Bonvoy が利用され、部屋は最低価格で提供が行われた。ダイレクト予約の Marriott.com と Marriott mobile は、第3四半期に予約された部屋の 32% を占め、本数字は前年より4% 高い数字である」(ソレンソン氏)とも述べている。
Marriott Bonvoy への変更については、一部では反発もあったようであるが、ソーシャルでの反応は非常に好意的で、ロイヤリティプログラムに対する顧客の認識が大幅に向上しその結果として直接予約が大きく伸びたようだ。
実際に、2019年2月にスタートした Marriott Bonvoy 会員からの収益は、過去9カ月間で 12% 増加したという。また「同メンバーは宿泊の 52% を占め、対前年同期比で 3.2% 増加した」とソレンソン氏は述べている。
約1億3700万人が加入する Marriott Bonvoy とは
Marriott Bonvoy では、30あるホテルブランドのポートフォリオにてホテル滞在でポイントの獲得や交換を可能にするサービスを提供。他にも会員が Marriott.com から直接予約すると、無料の高速Wi-Fi接続や会員限定の特別料金を利用できるほか、モバイルアプリではモバイルチェックイン&アウト、モバイルリクエストなどを提供している。
対象ホテルではフロントに立ち寄ることなく、自身のスマートフォンから客室の鍵を開け閉めできるほか、駐車場やフィットネスセンター、プールなどのパブリックスペースもスマホで解錠できるようになっている。
また、モバイルリクエストでは、ホテル滞在の前後や滞在中に、いつでも各種サービスやデンタルキットやシャワーキャップなどのアメニティをリクエストすることができる。
同社によると、2019 年2月にスタートした Marriott Bonvoy の会員数は、特に中国市場で約40%増加したことを受けて過去9カ月の間に 1,200万人増え、会員数は約1億3700万人になっているという。
同社が Marriott Bonvoy を強化する背景には、オンライン旅行予約サイトの依存度を下げたいという同社の思惑がある。ソレンソン氏は、「今後も当社はオンライン旅行代理店への依存度を下げる努力を続ける」と述べ、今後も自社予約を強化する方針を示している。
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