starthome-logo 無料ゲーム
starthome-logo

「絶対無事故である航空会社を作らなければ」 エアアジア・ジャパン、井手隆司会長講演【全文書き起こし(3)】


エアアジア


2月15日に中部国際空港二本目滑走路建設促進期成同盟会が主催し、名古屋市内で行われた講演会で、エアアジア・ジャパンの井手隆司代表取締役会長が行った講演、「空港と地域の機能強化に向けて〜就航エアラインが地域に望むこと」の全文書き起こしをお送りする。井手会長は、就航時期や2016年から20年までの就航路線や機材計画をはじめとした経営計画などについて、詳細な説明を行った。


ゴールデンウィーク特別企画として約14,000字にわたる内容を5日間、5回にわけて配信する。



DJ9


さあ皆さんの関心事です、4月1日就航予定。気を揉まして揉まして、やっと4月1日とかいう日にちが出ておりましたけれども、実は12月に私ども新しい経営陣になりまして、点検を行いました。冒頭にもお話した通りでございますが、実際に果たして4月1日できるかどうか、残念ですが無理です。会社の点検を行い、なおかつビジネスプランの見直しを行いました。


その結果こういうことが分かりました。実は飛行機が、1号機が既に日本には到着しているんですが、到着して以来一度も飛んでおりません。なぜか。その前にですね、エアアジア・ジャパンはAOC(航空運送事業の経営許可)、いわゆる航空法上でいう第100条なんですけれども、航空会社として飛行計画や事業計画、いろんな計画書を提出していって、航空事業者として充分に審査を受けた後にですね、この計画は大丈夫ですということで承認をいただきます。このAOCを獲得したためにですね、すぐにでも飛べるという感覚で事業を推進していた。まあそういう関係で本来やらなければならなかったことが後回しになっています。



DJ10


例えば規定が定められていない。これは104条で運航、整備の規定をちゃんと承認を得ない限りは飛行機は飛べないとなっています。当然規定を作るとそれに合わせた体制を作らなければなりません。これも充分ではない。一番大きいのは、ここに書いていないのですが第103条にありますが、安全管理規定、安全管理に関するところで、充分な体制を持たずに実は就航を目指していた。つまり本来あるべき姿というものはまず安全管理の仕組みを作って、そして運航、整備、ここの規定をしっかり作り込んで、そしてAOC、これを取って、そして102条にあります、施設検査。これは運航管理等の施設を十分に行える、できるという確認をお国のほうからしていただいて、初めて飛ばすことができます。ところが順序が逆で、先にAOCありき。これは新聞でご存知のように、これはAOCが取れた、飛行機が来た、飛ぶんだ。でも私が年末に来た時に、まだ飛行機はずっと地上です。何ヶ月も放置されてます。


DJ11


実はですね、まずこの飛行機を飛べる状態にしないといけません。スケジュールを大幅に変更しております。実はやっと目処が立って、明日(2月16日)、やっと飛行機が飛べる状態になります。ここまで実は大変会社として苦労したのは、何ヶ月も寝ているために、地上で、まあ皆さんもお分かりだと思います。人間もそうですね。入院が長くなりますと、足腰が弱って参ります。飛ばすためには、または人間がその入院を終える、リハビリが必要ですね。そのリハビリはどうやってやるんだと。実は前例はいくつかあります、航空会社の中には長年飛べずに置いておいて、そして飛ばすためにどうしようかと。私も前の会社で経験しておりますので、その知識は持ちつつもですね、非常に残念だなと思うのは、これを動かしてしまうともっと厳しい飛行機の整備が待っています。なんとしても飛行機が飛べる状態にしなければならない。その状況をきちっと環境を整えるためには、4月1日の就航は到底無理です。私もこの会社引き受けた時に、まず点検した時、真っ先にこれでは下手したら年内、年内というのは2016年に飛ぶこともできないだろうなと。私の感触から言うと、日本の航空会社を作っているよりは、エアアジアの日本支社のような、そういうイメージを持っていただくとわかると思います。それでは航空法上では、日本のJAナンバーをつけた飛行機が飛ぶことが出来ません。仕組みを全て組み替えました。そのためにですね、実は明日、もし実地試験ができましたら、3月の15日から6月の中旬くらいまでを乗員の実機訓練に使います。ここも充分に余裕を持たせています。実はですね、シミュレーターでライセンスを一応確保しておりますので、実機は長いこと触っておりません。そのために徐々に徐々に慣らして行かなければなりません。そしてその間に4月中旬くらいに先ほど申し上げた102条にありますけれども、運航管理施設等検査、これを合格しなければなりません。これを合格した後にですね、自主的に今度は就航に向けた実証これをを行います。これはノーマルとそれからイレギュラーが発生した場合に分けて、実際にお客さんが乗ることを想定しての訓練およびですね、実証飛行を局の審査を受けてクリアしていきます。これを終えるのはですね、おそらく6月の末。



DJ12


それからですね、課題があるとすれば、充分時間を取って、この課題を取り組んで、私の経験から言ってもおそらく2016年の夏、この夏が精一杯現実的に就航できる日にちだと思います。先ほども何度も申し上げたように、エアアジア・ジャパンはこの2年間ほど、紆余曲折、右行ったり左行ったりしながら迷いながら、迷走しながらもAOCは取れた。AOCはあくまでも航空事業者としての事業計画とか、そういった生産体制の計画を一応承認いただいたというだけで、飛ばすための実力はまだ持っていなかった。そこに一番大きな問題ですね。この体制を明確に整えるためには、これだけの時間とそれからその場合に私の心情としては、絶対無事故である航空会社を作らなければなりません。どんなことがあっても安全管理体制を構築した後に、自信を持って就航させたい。ここをいい加減で飛ばしてしまうと、事故につながりかねません。いつまでたっても就航できない。飛べる体制をしっかりと構築していきたいと思います。そのためにですね、私どもは会社のですね、理念を大幅に変えました。


DJ13


一番最初に一番大事な安全理念です。これは安全を最優先としてますけれども、どんなことがあっても安全管理体制を敷いて、安全を企業の基盤、これを明確にする事によって、今度は安全こそ企業文化ということで、現在、今、社員に安全教育を行っていっています。一人ひとりが安全管理体制の下における安全理念を持たない限りにおいては、事業の展開は大変難しいと思います。【(4)につづく】

    Loading...
    アクセスランキング
    game_banner
    Starthome

    StartHomeカテゴリー

    Copyright 2024
    ©KINGSOFT JAPAN INC. ALL RIGHTS RESERVED.