日本航空(JAL)は、長年提供していた機内オーディオプログラムの提供を、3月末で事実上終了することを決めた。全日本空輸(ANA)も、4月からJ-POPのプログラムなどを終了し、機内オーディオのコンテンツを縮小することを決めている。両社は、Wi-Fi接続した乗客のスマートフォンで楽しめるビデオコンテンツに注力するとみられる。
JALやJALグループの日本トランスオーシャン航空(JTA)は、機内オーディオプログラムの終了を明らかにしている。落語などの演芸を提供していた「JAL 名人会」や、JTAオリジナルのオーディオプログラム「沖縄POPS」と「島唄」は、機内Wi-Fiに接続した乗客のスマートフォンなどで提供する。
JALグループ各社は、機内でのイヤホンの配布を原則終了する。個人用画面でのサービスを提供する国内線機材のボーイング787-8型機やエアバスA350-900型機では、イヤホンの配布を継続する。JTAは、ヘッドホンの貸出も終了し、座席上部のモニターで放映しているビデオプログラムは、4月1日以降、音声が無い映像のみ放映する。
ANAは、4月以降も機内オーディオプログラム(スカイオーディオ)を提供するが、J-POPや子供向けのプログラムを終了し、70・80年代の音楽や演歌・歌謡、クラシックや落語「全日空寄席」の4プログラムに絞る予定。流行の変化が少ないプログラムのみ提供し、コンテンツ制作や更新を抑える狙いがあるとみられる。なお、ANAの共同運航(コードシェア)便を運航しているソラシドエアは、2020年11月に機内エンターテインメントサービス「ソラタイム」を終了している。