全日本空輸(ANA)の平子裕志代表取締役社長は、中国路線の需要が急減していることを受け、運休を検討していることを明らかにした。
新型コロナウイルスの拡大により、2月、3月の予約動向は中国発は半減、日本発は4割減であることから、「中国線の運休は考えざるを得ない」(平子社長)としたものの、全体に中国路線の収入に占める割合は国際線の14%、国内線を含めても7%であり、「大きな収入のインパクトはない」(同)と経営には大きな影響を与えない見通しを示した。
また、交通網が封鎖されている湖北省の日本人を救援するため、武漢へ運航したチャーター便について、政府の要請を引き受けた理由を、「日本に帰国されている人が武漢にいるとお聞きして、日本を代表するエアラインとして任務をしっかり全うしたいと思った」(同)と明らかにした。また、「従業員のモチベーションが大変気になっていて、彼らとメールで話す機会があった。勇気を持って行ってくるということで敢行してくれたので感謝している。彼らも無事に日本人をお連れできてよかったと思っている。彼らの健康状態も良好で、元気な顔を出して出社していただきたい」(同)と話した。チャーター便は、1月29日から31日まで各日1便を、ボーイング767-300ER型機で運航した。