関東周辺のライダーにとってメジャーなツーリングスポット・奥多摩。そこから大菩薩ラインを超えて20~30分ほどの場所に丹波山村はあります。東京都山梨の県境に位置するこの村は、奥多摩湖に繋がる丹波川と四季折々で表情を変える山林に囲まれた静かな山里です。
REPORT●村上 菜つみ(MURAKAMI Natsumi)
PHOTO●高橋 克也(TAKAHASHI Katsuya)
奥多摩にライダーの集まる場所があればいいのに――そんな思いがきっかけで生まれた「ライダーズカフェ多摩里場」。奥多摩湖から国道411号大菩薩ラインを20分ほどの場所にあるこのカフェは、奥多摩周遊を楽しんだあとの休憩ポイントにもピッタリです。
自身もバイク好きだというマスターが営む「多摩里場」は、ツーリングのついでに立ち寄りやすい国道沿いにあります。座席は店舗内にもありますが、お天気が良ければぜひパラソルを備えたテラス席へ。近くを流れる丹波川のせせらぎに癒やされますよ。
「僕が立ち上げたお店だけど、ここを作ってきたのはお客さん一人ひとりなんです。僕は場を提供してるだけ。お客さんが…… ”仲間”が作り上げてくれたんです」と語るマスター。まるで友だちの家に来たようなあたたかさは、お客さんのことを考え続けたマスターの歴史でもあるのですね。
「自然のものを皆さんにお返しするのは当然のことだから」と、丹波山産食材をふんだんに使った料理を提供する多摩里場。もともとは地域おこし協力隊としてこの地に移住してきたマスターは、自らも畑を耕し、猟師として害獣駆除を行いながらお店を営んでいます。
ランチメニューのなかでも、鹿肉が使われているというキーマカレーは老若男女から愛される一品。「できるだけ地元食材を使いたい」と村で生産された朝採り野菜のサラダも添えられています。一つひとつ手作りされたスイーツも絶品で、旬の果物は山梨産にこだわっているそう。
「奥多摩ってライダーの集まる場所が少ないでしょ。それに、丹波山村のあたりは目的地に設定しにくい。だからここに集まる場所を誰か建てないかなって仲間内で話してたんです」。そのときは仲間内の定番ジョークだったそうですが、その思いが今のお店造りに繋がっています。
気さくなマスターが営む「ライダーズカフェ 多摩里場」。マスターの明るい語りと美味しいごはんに、すっかりエネルギー満タンです。みなさんも奥多摩周遊のついでに、またはここを目的地としてツーリングを楽しんでみてはいかがでしょうか。もうひとつの家に帰ったようなひとときを過ごせますよ。
●ライダーズカフェ 多摩里場
〒409-0300
山梨県北都留郡丹波山村3653-1
TEL:0428-88-0889
営業時間:10:00~17:00
定休日:火曜日・水曜日