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狭い田舎道が得意! 新型グロムは旅の相棒としての適性良し


モンキー、ゴリラ、ダックス、モトラなどレジャーバイクを数多く世に送り出してきたホンダ。規制が強まる中でも遊び心いっぱいのレジャーバイクの灯は消さなかった。グロムもそうしたカテゴリーにあるモデルですが、スポーティさを押し出しているのが特徴。3度目となるモデルチェンジでどのように進化したのでしょうか?

ホンダ・グロム……385,000円

 3代目となるグロムが2021年3月に発売を開始しました。2013年の初代、2016年の2代目としっかり進化熟成してきたグロムですが、3代目ではフルモデルチェンジといえるほど変化しました。まずスタイリングですが、スポーティで躍動感あふれる個性的なデザインが初代、2代目の特色でした。いわゆる「遊び心」あるスタイリングがグロムの魅力でもあったわけです。3代目も当然、そうしたコンセプトは継承していますが、燃料タンク周りにボリュームを持たせて塊感のあるフォルムへと一新しています。さらに、カウル取付けボルト周辺に円形のガーニッシュを採用した点もユニークで新しい印象です。

 大型化した燃料タンク周りに合わせて、大型のLEDデュアルヘッドライトも形状が変更されました。前から見ると「顔がデカイ」のであまりかっこいいとは個人的には思えなかったのですが、ボディ全体でいえば、ファニーなスタイルとなっているので、これはこれで面白いかも、と思えるようになりました。速さをイメージさせたり、力強さを感じさせるスタイルのバイクはかっこいいですが、グロムはライダーが笑顔になる、そんなスタイルを構築しているのだと感じました。

HRCサービスショップで扱っているグロムレースベース車。レース参戦を考えているならこのモデルを選んだほうが無駄がない

 ところでグロムは、各地で開催されているミニバイクレースでも人気のあるモデルなのですが、HRCサービスショップで購入できるレースベース車も用意されています。僕個人はグロムでサーキットを走ったことはないのですが、エイプやKSR110でかつてレースに出ていました。おそらくそれらのモデルより新型グロムはポテンシャルが高いのではないだろうかと想像できます。レースユーザーにとっても楽しみな1台ですね。

 今回のモデルチェンジはスタイリングにとどまりません。心臓部のエンジンも新設計となりました。従来は52.4×57.9㎜のボア×ストロークで圧縮比9.3の124㏄空冷SOHC2バルブ単気筒でしたが、新型ではボア×ストローク50.0× 63.1㎜、圧縮比10.0の123㏄空冷SOHC2バルブ単気筒となりました。この変更によってわずかながら高回転高出力型となったのですが、さらにこれに5速ミッションが組み合わされました。スポーツ性が高められたというわけです。

 コンパクトなボディに跨ると、相変わらずの足つき性の良さに気分はリラックスします。シート高は761㎜とかなり細かく表示されていますが、760㎜だった従来型と大差はありません。ただしハンドルグリップ位置がわずかながら高まったようで、そのぶん上体はラクになった印象です。シート形状も上面がフラットになったので、自由度が広がりました。ツーリングユーザーの僕としては、ポジションは良い方向に変わったと思いました。

 スタートすると、低回転でのトルクが太くなったようで、力強く加速してくれました。頻繁にギアチェンジしたくない僕としては4速ミッションでもいいのにと思っていたのですが、シフトアップしながら加速していくと、どうやら5速ミッションが功を奏しているようで、たとえば60㎞/hの実用スピードに達する時間が短くなっています。上りが続く峠道でも5速ミッションは有効で、従来の4速だと2速じゃ回転が上がりすぎるし、3速だとちょっと力不足といった状況でも、5速なら3速ホールドでストレスが溜まらない走りができます。つまり、スポーツ志向で採用した5速ミッションですが、実はツーリングでも活躍してくれるのです。

 前後12インチタイヤにショートホイールベースという車体構成は、軽快なハンドリングを生んでくれます。小径タイヤでは路面追従性の面で不利という見方がありましたが、一般道の走行ではネガな部分はまったく感じません。小回りがしやすく取り回しもラクなのでむしろ、路地が多い市街地や狭い田舎道では気楽に走ることができるほどです。そういう意味では原付二種の高い機動性が走りの楽しさに直結するバイクだといえます。

 サスペンションはφ31㎜の倒立フロントフォークに、モノショック式リアサスの組み合わせ。性能がものすごく高いというわけじゃないのですが、作動性は良好で、一般道の走行で不満を感じるレベルではないと感じました。まあ必要なら、自分の用途に応じて換装したりモディファイすればいいと思います。前後のディスクブレーキも入力初期からガツンと効くタイプではなく、入力に応じてジワリと効力を発生する特性。一般道走行に向いているといえます。まらABSはフロントのみに装備された1チャンネルABSを採用しています。

 4年ぶりにフルモデルチェンジされたグロムは、スタイルの変貌ぶりもさることながら、中身もしっかりと進化していました。ボディがコンパクトなので荷物の積載スペースは限られています。なのでツーリング性が高いバイクだとはいえないかもしれません。でも休日に散歩気分で郊外へ出かけたり、ときには泊りがけでちょっと遠くまでツーリングするなんて使い方は拒否しません。そして経済性の面でも負担が少ないので、遊びバイクとして所有するのもいいんじゃないでしょうか。

足つきチェック(ライダー 大屋雄一:身長175cm)

ハンドル位置がわずかに高められた結果、上体はより自然でゆとりあるものとなった
761㎜とシートは低い。なので4MINIらしく足つき性は抜群だ
車重は従来型より2㎏軽い102㎏を実現。足つき性の良さもあって取り回しはしやすい。扱えるこのサイズが親近感をもたらす
ボア×ストローク、圧縮比を変更するなどで刷新した空冷SOHC2バルブ単気筒エンジン。排気量は123㏄となったが、出力は高まった。また新たに5速マニュアルミッションを採用

縦に配置されたLEDデュアルヘッドライト。存在感のある大型ヘッドライトは視認性、被視認性が高い
シートエンドに一体化されたLEDテールランプ。被視認性を考慮して高い位置にある
ゆとりあるポジションを持たrしてくれるアップハンドル
ギアポジション表示やREVインジケーター表示を新たに追加した多機能デジタルメーター。液晶部は輝度調整が可能なバックライトを採用している
倒立フロントフォークにABS装備のシングルディスクブレーキと装備はスポーツバイクそのもの。5本スポークキャストホイールには120/70-12タイヤを装着する
リアの足回りはモノショック式リアサスペンションにディスクブレーキ装備。タイヤは130/70-12 サイズだ
上面がフラットな形状となったダブルシート。座り心地が良く自由度も高くなった。リアシート部分は荷物の積載スペースに活用できそうだ
シート下にバッテリーなどの電装パーツが収納されている。小物入れのスペースはない。ヘルメットホルダーとなるフックが装備されている

主要諸元

車名・型式 ホンダ・2BJ-JC92


全長(mm) 1,760


全幅(mm) 720


全高(mm) 1,015


軸距(mm) 1,200


最低地上高(mm) 180


シート高(mm) 761


車両重量(kg) 102


乗車定員(人) 2


燃料消費率(km/L)


 国土交通省届出値:定地燃費値(km/h) 63.5(60)〈2名乗車時〉


 WMTCモード値(クラス) 68.5(クラス 1)〈1名乗車時〉


最小回転半径(m) 1.9


エンジン型式 JC92E


エンジン種類 空冷4ストロークOHC単気筒


総排気量(cm³) 123


内径×行程(mm) 50.0 × 63.1


圧縮比 10.0:1


最高出力(kW[PS]/rpm) 7.4[10]/7,250


最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) 11[1.1]/5,500


燃料供給装置形式 電子式〈電子制御燃料噴射装置(PGM-FI)〉


始動方式 セルフ式


点火装置形式 フルトランジスタ式バッテリー点火


潤滑方式 圧送飛沫併用式


燃料タンク容量(L) 6.0


クラッチ形式 湿式多板コイルスプリング式


変速機形式 常時噛合式5段リターン


変速比


 1速 2.846


 2速 1.777


 3速 1.315


 4速 1.034


 5速 0.843


減速比(1次/2次) 3.040/2.533


キャスター角(度) 25°00′


トレール量(mm) 81


タイヤ


 前 120/70-12 51L


 後 130/70-12 56L


ブレーキ形式


 前 油圧式ディスク


 後 油圧式ディスク


懸架方式


 前 テレスコピック式


 後 スイングアーム式


フレーム形式 バックボーン




製造国 タイ
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